栗東 九条の会

第4回 憲法と平和を考える県民のつどい

ベトナム帰還兵 アレン・ネルソン氏(元アメリカ海兵隊員)
「本当の戦争を知っていますか?」
お話を聞きました。 ご紹介します。

「人を殺すと同時に人間を狂わせる」

 イラクに派兵された3人に一人が精神疾患にかかりPTSDで苦しんでいる。

広島・長崎の原爆資料館に行ったが、アメリカ人として人間としていたたまれない思いをした。
アメリカの小・中学校の教科書の内容はウソッパチ。
わがアメリカが原爆を落としたことで女性や子どもお年より、人々が苦しんだことをテロのキングがアメリカであるということを知った。テロの見本を示していた。改めてアメリカの歴史を考えた。

テロの上に成立した国家であるということをヨーロッパからアメリカにわたった白人多数の原住民を殺し土地を奪った。
白人たちがアフリカ大陸のアフリカ人を拉致した。

アメリカ人が他をさしてテロリストなどという資格はない
日本にアメリカの軍事基地の多いのか不思議

デマに惑わされないでほしい

アメリカは、日本を守るために基地をおいているなどとは思っていない。現実は、日本政府をコントロール。支配するためにいるのである。
日本は民主国家とは言えない。アメリカのあやつり人形・かいらい政府状態。本土の人は実感していないかもしれないが、沖縄の人は占領されていることを実感している。

小泉首相は、アメリカ合衆国日本州知事

東京の国会はムダ・アメリカワシントンへ行かなければ


さて、ベトナム戦争の現実は


私の母はシングルマザー、4人の兄弟姉妹であった。
ニューヨーク・ブルックリン(スラム街)で掃除婦で働く母親の収入では生活は貧しく、物乞いや暴力、かっぱらいをしながら育った。高校を中退し、軍隊へ志願した。
軍隊入隊が貧しさからの突破口となると思っていた。
母が喜んでくれると思って報告したとき、母はガックリして泣き崩れた。(私には理解できなかった)

軍隊に入る兵士たちは、決して中や中の上、上流階級の恵まれた人たちではない。
貧しい庶民、大都会のスラムや片田舎の出身者である。
日本の自衛隊のも言えることではないか。
大学進学や就職の機会が得られず自衛隊を選んだ・・・・・

ブッシュはテロリスト

 二人の娘は軍に入れていない。イラクに派遣はない。
小泉は自衛隊をイラクに派兵を決めた。
 しかし、息子をイラクに派遣しない。東京でTVを見た。ビールのコマーシャルをしていた。

軍隊の訓練の厳しさ

酒と女とケンカに明け暮れる毎日。徹底して暴力・人殺しを教えかまれる。まず「黙れ」考えるな。命令に従え、頭を使うことはない

米軍基地の町で暴力事件などが起きる。
司令官は謝罪するが、心のうちでは、「新兵も本物になってきた。これで使い物になる」ぐらいにしか思っていない。

アメリカ本国では標的に向けた射撃訓練をしたが、沖縄基地では確実に殺せる殺人訓練。
そのために心臓や頭、足などでなく腹部を狙う訓練。
このやり方は、長時間苦しみもがき、泣き叫ぶが確実に死んでいく。殺人訓練の毎日、眠られない毎日が続いた。

戦争・殺人にルールはない

見つけたら殺す。殺さなければ自分の部隊も殺される。
殺すだけでない。死体を集めて成果を数える。
手や足、頭が吹き飛んでない場合などそれを探し集めるて、積み上げる。マダ生きている女・子どもなども積み上げる。

その死体の山を捕まえた女・子どもに見せる。
子どもが母親も死体に取りすがって泣き叫び離れようとしない。何の感情もなく、引き離して殺す。

戦闘のあと死体を探す方法は二つ

ひとつは耳を澄まして、ハエの羽音を聞く。死体に群がるハエの羽音。二つは、腐乱する死体のにおい・血のにおい・弾薬の燃えるにおい。いまでも、鼻の奥に、心の奥深くに染み付いている。

戦争映画にかけているもの。それは「におい」
もし「におい」がついたら、2度と戦争映画は見ないだろう。


13ヶ月、ベトナム戦争の前線で戦ってきた。
この間、私をはっとさせる衝撃的な事件に遭遇した。敵の集中攻撃を受け、暗闇の中で見つけた防空壕に入った。
なんか人の気配がするが、異常を感じた。
近づいて見ると若い女性。ハーハーと荒い息づかい。何がなんだか分からなかった。次の瞬間、彼女はすごい叫び声と共に赤ちゃんを産み落とした。

私は、とっさに手を差し出し、その赤ちゃんを受け止めた。赤ちゃんは暖かかった。
彼女は、赤ちゃんを私の手から奪い、臍の緒を歯で噛み切って、赤ん坊を布で包んで豪を出て行った。

この瞬間、「敵」も人間なんだ。私も、こうして母は産んでくれたんだ。敵と思っている人たちも、同じ人間なんだ。
部隊に戻っても、手についている赤ん坊を抱きしめたときの血を眺めた。死んだ人の、死んでいった人の血ではない。

私は、部隊の目を盗んでベトナムの村に毛布や食べ物、薬を運んだ。そして、自らが生き延びるために最小限度の戦いに参加した。


訓練では、敵のことを「グース」とよび、蔑み忌み嫌うように教えられる。
 グース=東洋人を差別して使う言葉
国・軍隊・政府は、「相手は人間(自分と同じ)じゃない」と教える。
戦前、アメリカは日本人を「ジャップ(野鼠のラップと同じ調子)」と呼んだ。日本は、米・英を「鬼畜米英」といっていた。

アメリカは、原爆を人間の上に落としたとは思っていない。

ベトナム戦争から除隊して故郷へ帰った
母は、「お前は私の子どもではない」といいました。
毎夜毎夜うなされ、突然飛び起きて大声を上げて泣き叫ぶ
私を家族や母は理解できませんでした。
母親から「出て行ってくれ」といわれ、私のホームレス生活が始まった。

ある日、高校の同級生で、小学校教師となった女性が声をかけてくれた。
「ベトナム戦争体験を子どもたちに語ってほしい」と言ってきた。しかし、私はとてもできないと断った。

数日してまた彼女がやってきた
子どもたちの手紙や絵を持って。
それでも話す気にはなれなかったが、手紙を読み絵を手にするうちにOKの返事をした。
適当に「戦争は大変だ」と一般的な話をした。

そして最後に子どもたちの質問の時間。

「あなたは本当に人を殺したのですか」
 真正面の私を見て真剣に問いかける女の子

本当のことを言えば、この子どもたちは私を恐がるだろう。殺人犯として遠ざかるだろう。しかし、子どもたちにウソは言えない。数秒・数分、目をつぶって思わず小さい声で「Yes」と言った

しばらくして、びっくりした。
質問した女の子が、私の腰に手を当て腕を回し、じっとしながら泣いている。そして、ほかの子どもたちも、その同級生の教師も泣いていた。

大人が絶対しない質問を子どもはする。
大人は頭で受け止める。しかし、子どもは体で受け止める。

私は、精神科医の治療を受け、戦争体験をしゃべれるようになった。60歳を過ぎた今も。治療を続けている。

最後に、今ここにいる人々、日本人は優しい顔をしている。
それは「戦争」を知らない顔。

アメリカ・イギリス・中国・韓国など大国の子どもは戦争を知っている。

日本の子どもたちは、9条によって、戦争の悲惨・苦しみから守られてきた。
国会議員の多くは、憲法9条を無きものにしようと画策しているが、これを絶対許してはならない。
9条によって守られてきた声を大にして立ち上がらなければならないとき。

九条の大切さは、日本人だけのものではない。
  地球上のすべての人にとって大切であるべき時

●ご紹介とご案内●

●世界に誇る日本の宝 それは9条
 滋賀・憲法のつどい
  〜守ろう平和・語ろう未来〜

 4月29日(土)午後1時30分開場
          2時開会
 滋賀会館大ホール
 
記念講演
憲法を再生させる文学の力
   ーー真実の言葉を求めてーー
詩人・作家
辻井 喬さん
本名 堤清二(滋賀県ゆかりの人)
実父(堤康次郎)を主人公にした長編「父の彫像」で野間文芸賞受賞。
詩集「辻井喬詩集」小説「終わりからの旅」など。
日本ペンクラブ理事。日本文芸協会常任理事。日本中国文化協会会長
主催 滋賀・九条の会
(お問合せ 077−525−1950 川端まで)  








▲左側 アレン・ネルソンさん
右側 通訳の平塚さん


▲近江女の意気地を示す近江音頭の踊り
リズムに「憲法」を近江音頭のリズムにのせて