終結に向かう周辺市の同和事業・個人施策
~H27年度末で全廃
栗東市もようやく終結の意向
個人施策は 一般施策化・終結の方向で検討する
国による同和対策特別事業は、H14年3月末その根拠法(地域改善対策特別措置法)の失効により終結しました。本来なら、この時点で同和事業はすべて廃止するべきですが、「差別事象がなくならない」として継続的に取り組まれてきました。
しかし、近年同和に限定した事業を廃止する動きが広がってきました。草津・守山・野洲市では、同和地区に限定した個人施策が次々と廃止され、H27年度がその最終年度になっています。しかし、栗東市では終結の目途が示されていません(下表参照)。
3月12日、太田浩美議員は個人質問で、同和に関わる個人施策を速やかに廃止し、一般施策化するよう求めました。市は「一般施策への意向も含め、終結に向け検討する」との意向を示しました。
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同和地区限定の個人施策 |
栗東市 |
草津市 |
守山市 |
野洲市 |
固定資産税の減免 |
*市県民税課税標準額400万円を超える世帯
H24年度30%減、H25年度20%減
H26年度10%減、H27年度 減免なし
*市県民税課税標準額400万円以下世帯
H24年度40%減、H25年度40%減
H26年度35%減、H27年度30%減 |
H24年度で廃止 |
H27年度で廃止 |
H26年度で廃止 |
修就学奨励金給付 |
高校・大学・各種学校対象に奨励金と入学支度金を給付 |
H24年度で廃止 |
☓(なし) |
H24年度で廃止 |
中小企業融資対策 |
融資に係る利子を補給。年間1%以内 |
H22年度で廃止 |
H23年度で廃止 |
H23年度で廃止 |
技能取得訓練補助金交付 |
運転免許等の技能取得訓練受講補助金を交付4/5(一般1/2)、30万円を限度 |
H24年度で廃止 |
H23年度で廃止 |
H27年度で廃止 |
湖南地域の自治体における同和地区限定の個人施策
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福祉は削減しても 同和事業は聖域化
市は危機的財政を健全化するためのプランをH20年度から実施し、子どもや障がい者の医療費助成の削減、重度障がい者の通院補助の廃止、幼稚園・保育園・学童保育の保育料や水道料金等の公共料金の値上げ、中学校給食の廃止などをしてきました。その結果、栗東市の福祉水準は、県内自治体の中でもかなり低い水準になっています。
財政危機であるなら、同和事業においても改革のメスが入って当然です。しかし、周辺市で廃止されている同和地区限定の個人施策においても、ほとんど改革のメスが入っていません(上表参照)。本市の同和事業は、周辺市と比べれば充実しています。
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同和事業の継続に 市民理解は得られない
財政危機と言いながら
毎年1億6000万円を超える独自財源を投入
財政健全化の取り組みは、H20~26年度の7年間におよびます。H20~25年度における市民への負担増は42億1700万円にのぼります。さらにH26年度は約11億円の削減予算が編成されました。
この間に同和事業は一部縮減されましたが、財政健全化の間であっても、毎年1億6000万円を超える独自財源が投入されてきました。H27年度予算案では、前年度より約1200万円も増額され、1億8000万円を超える予算が投入されています。
福祉の削減には「財政健全化は、すべての分野を対象に実施している」「あらゆる分野を周辺市並みの水準にする」と説明し、福祉施策は強引に削減されてきました。
こういうやり方に対し、日本共産党は「市民が継続を望む福祉施策を削減・廃止するいっぽうで、根拠法廃止から12年間が経過し、周辺市も廃止する同和事業を、市独自で継続することに、市民の理解は得られない」として、同和事業の特別扱いをやめ、他の施策と同様に見直すよう求めてきました。
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同和事業の一般施策化を
個人施策の廃止時期について、市は「H27年度中決定し、早い時期に明らかにしていきたい」と答えました。
個人施策以外に同和事業は、まだ多く存在します。日本共産党議員団は、国の根拠法が失効した時から、すべての同和事業について、速やかに廃止し一般施策化するよう求めてきました。
参加者が集まらない地区別懇談会等もやめ、同和を特別扱いするのではなく、人権問題の一環として取り組むべきです。 |
栗東民報 2015年3月22日号
日本共産党栗東市委員会発行
市委員長 國松清太郎
市会議員 伊吹みちえ
市会議員 大西時子
市会議員 太田浩美 |
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