栗東民報 2015年1月25日号


日本共産党議員団が栗東市へ

「2015年度栗東市予算編成にあたっての
           要求書」を提出

国の2015年度予算編成は
 軍事費の増大と社会保障の削減

安倍内閣は、2015年度予算で大企業には法人税を減税、大型開発の公共事業には重点的に予算を配分し、軍事費は3年連続増加で過去最高額の4兆9801億円に増大させました。

ところが、介護保険の利用料引き上げ・後期高齢者医療の窓口負担増・年金の削減・生活保護費の削減など、福祉分野は削減と負担増を国民に押し付ける中身となっています。

消費税を8%に引き上げてから2年目の予算で、こうした社会保障の大幅削減は、消費税の増税が社会保障のために使われていないことは明らかです。

財政健全化プランが終了 福祉の向上に期待がかかる

市政運営では、H20年度から実施されてきた『財プロ』『新・集中改革プラン』による財政健全化の取り組みが、いよいよ今年度末で終了します。H20~25年度の6年間における市民への負担増は42億1700万円にものぼります。

市民から「福祉のまちと呼ばれた栗東市が、いまや借金のまち栗東だ」「住みよいまちナンバーワンだったが、ほんとうに住みにくくなった」などと言われてきました。

しかし、「これからは、よくなってほしい」と、福祉や教育の充実に期待がかかるところです。
 


開発優先・企業優遇型の市政運営を

福祉・暮らしを守ること最優先に転換を

この間の予算編成では、市民の暮らしには緊縮を強いながら、『後継プラン』やリチウムエナジージャパンへの誘致奨励金など、開発事業や企業への優遇措置には、毎年多額の予算がつぎ込まれてきました。

たばこ業者への貸付金9億円が、返済期日を過ぎているにもかかわらず、いまだに回収できていません。土地開発公社の保有地処分を市が肩代わりした『3セク債』も、過去の無謀な開発事業の後始末です。こうした開発優先・企業優遇型の市政運営が、きびしい市の財政運営をさらに追い込む結果となっています。

そういう状況のもとで、本市の福祉水準は、県内でもかなり低くなっています。しかし、開発優先・企業優遇型の市政運営をあらためれば、福祉水準を引き上げることは可能と考えます。

地方自治体の本旨は福祉の増進です。日本共産党栗東市委員会と市会議員団は、安倍内閣が社会保障を削減しようとしていることも視野に入れ、市民の暮らし守ることを最優先にした予算編成をされるよう求め、1月20日、栗東市に54項目にわたる要求書を提出しました。



予算要求書の主な内容(要旨を抜粋)

1、財政健全化のために
・企業誘致事業で、市は「地域雇用や経済効果が長年にわたって期待できる」としてリチウムエナジージャパンに多額の奨励金を交付している。しかし、交付効果の検証はできていない。その上、次年度以降は手原産業倉庫やイシダにも交付予定となっている。全国の事例では、雇用要件などの約束が守られない上に、短期間で企業が撤退し、奨励金が返還されないケースが多数ある。リスクも高く、危機的な市の財政をさらに圧迫する企業への奨励金はやめられたい。

・㈱TSR・㈱CSRへの貸付金未回収問題で、『認諾』から2年9か月が経過しているが、いまだに返済計画が示されていない。貸付金9億円が回収される目途がまったく見受けられない。回収に向けた協議の進捗と今後の対応と回収方法を明らかにされたい。

2、医療・福祉の充実のために
・国民健康保険制度において、本市の医療給付費は県内で19市町の中で16番目と低いにもかかわらず、国保税は一番高い額です。国保税だけで所得の13~18%を占め、低所得世帯が多数を占める国保加入者にとって暮らしを圧迫する大変重い負担となっています。一般会計からの繰り入れで、ただちに払える税額に引き下げられたい。

・本市の高齢者へのインフルエンザ予防接種の自己負担2000円は、周辺市(草津市・守山市1000円、野洲市1300円)比較でも高すぎるとの声が強く寄せられています。以前の1000円に軽減されたい。

・子どもの医療費助成制度は、中学校卒業まで無料が世間並となり、豊郷町は高校卒業まで無料化されました。就学前の医療費に自己負担がある本市の水準は、きわめて低いものです。ただちに就学前医療費を無料化し、中学校卒業まで拡充されたい。

・特定健診の無料は、受診率の向上・病気の早期発見になり、
医療費の抑制にもつながります。隣の野洲市に続いて守山市も自己負担なしになりました。本市の自己負担1500円は、県内で最高額です。無料化を求めます。

3、子育て支援・教育環境の充実のために
・保育園の待機児童の存在が慢性化しています。子どもの豊かな育ちを保障するために、これまで以上に正規保育士を増員し、保育園の待機児童を解消されたい。職員定数に余裕があり増員は可能です。

・中学校給食がないのは、県内で草津・守山・大津・栗東の4市だけです。H30年度の学校給食センターの新設にあわせて、中学校給食を実施されたい。また、保育園・幼稚園・学校給食の食材に、地元農産物の利用を促進されたい。

・暑さ対策として、幼稚園・小学校へのエアコンを早期に設置されたい。引き続き小学校への設置計画を明らかにされたい。

4、地域経済の活性化と安全・安心のまちづくりのために
・JR栗東駅のバリアフリー化(西口とホームへのエレベーターの設置)が、H30年度供用開始予定で進められている。一日も早い実現を目指して取り組まれたい。

・4年後に減反政策が廃止されようとしています。これはTPP交渉を前提とする対応で、国の食料自給率の低下につながります。食料自給率向上のために、主要農産物の価格保証と所得補償制度を充実するよう国に求められたい。

・同和対策事業に関わる法律が失効して13年が経ちます。同和地域における固定資産税の減免や就修学奨励資金給付などの個人施策は、周辺市においてH27年度末ですべて終結されますが、本市だけ廃止時期が示されていません。ただちに廃止されたい。
部落解放に特化した同和対策事業や同和教育を続ければ、差別は温存されます。人権問題の一環として一般施策化する中で取り組まれたい。



*要求項目の詳細については、ここをクリックしてご覧ください。






栗東民報 2015年1月25日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 伊吹みちえ
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美