栗東民報 2015年1月18日号


TPPからの撤退と農業の持続的な発展を

経済効率優先から
家族農業者や農山村の維持発展への転換を

日本だけでなく世界でも、貧富の格差拡や栄養不足人口の増大、気候変動による食料供給の不安定化が広がる中で、農業生産のあり方をどう見直すかが、大きな課題になっています。

国連では、昨年の「国際家族農業年」に続いて、今年は「国際土壌年」とし、国際的な取り組みを呼びかけています。

経済性効率優先の農業・食料生産・流通の継続が、さまざまな困難をもたらしています。地域に定着する家族農業者とその共同を基本にした生産、自然の諸力を生かした持続的・循環型の生産、そのためにも農山村地域の維持発展に向けた転換が求められます。

 


政府の農業政策の柱は

TPPへの参加と農協の解体

安倍政権は、世界でもっとも企業が活動しやすい国にすることを目指すとして、経済政策『アベノミクス』を推進しています。国連の「国際家族農業年」には見向きもせず、農産物の関税撤廃やあらゆる分野にアメリカ式ルールを持ち込むTPP(環太平洋連携協定)への参加を、農業政策の重要な柱にしています。

農業への企業参入を自由化し、専業・兼業・協働などの多様な農業者を、政策対象から排除しようとしています。農家と地域経済にとって、もっとも切実な生産者米価の大暴落対策では、コスト削減や民間まかせに終始し、政府として責任をとろうとしません。

全中に的をあてた 農業共同組合運動への攻撃

市は危機的財政を健全化するとして『新・集中改革プラン』を策定し、子どもや障がい者の医療費助成の削減、重度障がい者の通院補助の廃止、幼稚園・保育園・学童保育の保育料や水道料金等の公共料金の値上げ、中学校給食の廃止などを実施してきました。

その結果、栗東市の福祉水準は、県内自治体の中でもかなり低いものになっています。

こういう状況のもと、同和事業においても改革のメスが入って当然です。しかし、上表のように、周辺市で廃止されている同和地区限定の個人施策において、ほとんど改革のメスが入っていないのが実態です。本市の同和事業は、周辺市と比べれば充実しています。



自治体として 政府に農業政策の転換を

地域農業を守るためには、地方自治体として政府に農業政策の転換を求めることが重要であると、12月議会において代表質問しました。野村市長からの答弁は「国の動向を注視し、県や他市と歩調を合わせ、農業者によい施策が展開できるよう検討する」「農家への市独自の施策は考えていない」という消極的な内容でした。

昨年末に行われた総選挙において、日本共産党はTPPにも安倍「農政改革」にも反対し、米価暴落の緊急対策を提案し、農業を国の基幹産業として発展させる立場でがんばりました。この訴えが、農業者や農業団体の中に広がり、議席を大きく伸ばしました。



TPPからの撤退をめざし 運動を広げよう

来全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)をはじめ農林漁業団体・消費者団体・学者・研究者・弁護士など、幅広い人々が、「TPPからの脱退」「国会決議の順守」「聖域守れ」などの要求を掲げて運動を続けています。

TPPからの撤退をめざす一致点での共同の条件は、いっそう大きくなっています。
農業・食料問題は格差と貧困を拡大し、農業や地方を衰退させる「アベノミクス」とたたかい、国民本位の経済を実現する重要な一環です。

価格保証・所得補償で 食料自給率の向上を

 アメリカでも、農業を維持してくために、国として価格保証を行っています。

昨年の低米価では農業の維持は困難です。農業の維持・発展のためには、いまこそ価格保証が必要です。
 




栗東民報 2015年1月18日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 伊吹みちえ
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美