H25年度決算から見る栗東市政
着実に増える基金 財政は健全化の方向性
H25年度は5億7800万円を基金に積み立て
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年度別決算額
年度 |
H25年度 |
H24年度 |
H23年度 |
H22年度 |
H21年度 |
H20年度 |
基金残高(財政調整基金と減債基金の合計額) |
17億
7600万円 |
11億
9800万円 |
5億
4700万円 |
1億
1300万円 |
960万円 |
540万円 |
市債残高(3セク債を含む全ての借金残高) |
714億円 |
579億円 |
591億円 |
612億円 |
627億円 |
643億円 |
年度末剰余金(一般会計) |
4億
6600万円 |
4億
5800万円 |
5億
2700万円 |
2億
9900万円 |
2億
1900万円 |
1億
2800万円 |
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財政健全化比率の状況(早期健全化基準以下であれば健全とされている)
年度 |
H25 |
H24 |
H23 |
H22 |
H21 |
H20 |
早期健全化比率 |
財政再生基準 |
実質公債費比率 |
18.0 |
19.2 |
19.9 |
19.6 |
17.5 |
15.6 |
25.0 |
35.0 |
将来負担率 |
219.4 |
246.0 |
281.8 |
312.6 |
309.3 |
327.9 |
350.0 |
――― |
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市民から期待がかかる
福祉の充実
栗東市は、危機的財政の立て直しを図るとして、H20年度から『財政再構築プログラム』や『新・集中改革プラン』を策定し、福祉・教育施策を中心に様々な負担増を市民に押し付けてきました。そのプランも、ようやくH26年度末で終了します。
2日から開催された9月議会では、H25年度の決算が審査されます。決算書によれば、この間底をつきかけていた基金(貯金)は増え、財政健全化比率等の数値の動きは着実に健全化の方向性を示しています。市民から、ようやく我慢の時期が終わるとして、今後の福祉施策の充実に期待がかかるところです。
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余裕が出始める財政運営
市は「福祉水準は現状を維持する」と説明
H20年度643億円にものぼる近隣市に類を見ない莫大な市債(借金)残高は、H24年度579億円になり、64億円減少しました。
H25年度は、158億円もの土地開発公社の借金を『3セク債』として市が肩代わりしたことで、市債残高は714億円と再び増えました。しかし、実質公債費比率や将来負担率は、超えれば財政再建が必要となる「早期健全化基準」から減少する傾向にあり、健全化の方向性を示しています(上表参照)。
H20年度には底をつきかけていた基金も着実に増え、毎年黒字決算という状況が続いており、財政運営に余裕が出始めていることは確かです。
市民から福祉の充実に期待がかかるところです。しかし、市は「次年度から『新・集中改革プラン』の検証をしていく」とし、福祉水準は現状を維持すると説明しました。
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企業誘致にたよる市政運営は財政危機に拍車
たばこ業者への貸付金の9億円 いまだに返済されず
たばこ税も契約どおり納入されず
返済期限が過ぎた㈱TSRと㈱CSRへの貸付金9億円も回収されていません。H23年3月、市は返済を求め提訴しました。H24年3月、相手業者は返済すべきものと認め、『認諾』しました。にもかかわらず、いまだに1円も返済されていません。
H20年7月、市はわずか基金2億5200万円から、大半の2億5000万円を㈱クリアゲートに貸付けました。貸付時には年間5億円以上のたばこ税を納税する契約をしました。しかし、約束が守られたのは最初の2年だけで、それ以降のH22~25年度における納税額は1億3000万円程度にとどまっています。
市は「納税を促しているが、情勢の変化で、経営状況が厳しくなっている」と説明してきました。こうした企業誘致にたよる市政運営が、財政危機に拍車をかけてきたことは明らかです。
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『3セク債』は開発の失敗による借金開発を目的に、市は土地開発公社で借金をして土地を取得しました。これらの土地で使い物にならなくなったものが、莫大な借金として残されました。これが『3セク債』(158億円)です。
開発の失敗のツケとも言える『3セク債』の償還やたばこ業者への貸付金が返済されないなどの課題がある中で、市は福祉施策を削減し、市民負担を増やすことで財政を再建してきました。
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増えた基金や決算剰余金の有効活用で
市民福祉の向上を
今度は市民の声に応え、増えた基金や決算剰余金を有効活用し、後退した福祉施策を充実していくべきです。
地方自治法第1条の2は地方自治体の本旨は福祉の増進を図ることを基本とする」と定めています。開発や企業誘致にたよるのではなく、この本旨に添った福祉の増進を中心に据えた市政運営が求められます。
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栗東民報 2014年9月7日号
日本共産党栗東市委員会発行
市委員長 國松清太郎
市会議員 大西時子
市会議員 太田浩美 |
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