栗東民報 2014年3月23日号


㈱リチウムエナジージャパンへは 5億8000万円 を交付

市民には「財政危機」と言い 7億1700万円 を削減

市民負担増の8割が
  企業への補助金に使われていた

『新・集中改革プラン』は企業誘致のためだった?!

3月3日から3月議会が開かれています。12日に行われた個人質問で、太田議員は財政問題について質問しました。市は「財政が危機的な状態である」と市民に説明し、財政再建という名目で『財プロ』や『新・集中改革プラン』を実施しました。

それらによる市民への負担増は7億1700万円にのぼります。とことが、その約8割の5億8000万円を、㈱リチウムエナジージャパン(LEJ)に補助金として交付していたことが明らかになりました。

結果として、『財プロ』や『新・集中改革プラン』は財政再建ではなく、企業誘致の財源をうみ出す手段だったと言えます。

 





LEJ誘致による税収効果は
 H22~25年度で  1億1600万円の赤字!!

地元からの新規雇用はわずか3名
H26年度の施政方針で、市は雇用創出・地域経済の発展に寄与するとして、企業誘致に力を注ぐと強調しています。しかし、リチウムエナジージャパン誘致におけるH22~25年度の税収効果は、マイナス1億1600万円で、赤字となっています。

期待されていた地元雇用の創出も、従業員200名中新規雇用は8名で、その内の市内在住者はわずか3名にとどまっています。従業員数は稼働当初から50名程度増えて200名に達しています。

しかし、肝心の地元の新規採用者は3名にとどまっています。雇用の拡大に大いに期待ができると言いながら、具体的にどれだけ伸びるか等の見込みはまったく示されませんでした。





 *税収効果とは、企業(LEJ)の税収入から補助金を差し引いた額のことで、企業誘致による市の実質的な収入のことです。  

H26年度から4000万円の黒字に転じる見込み

H26年度におけるLEJへの補助金はさらに3800万円が増額され、2億8800万円が予算化されています。これに対し、市は「H26年度は税収も増えるため、ようやく4000万円程度の黒字に転じる見込みである」と答えました。


『新・集中改革プラン』
 すべての分野で実施していると言うけれど・・・

同和事業は温存 ~毎年1億6千万円を予算化

市は『新・集中改革プラン』についての質問に「財近隣市との比較や事業評価など全体的なバランスを考慮した」「すべての分野を対象に実施している」「近隣市と比べて著しく福祉水準が低いとは考えていない」などと答えました。

しかし、H14年3月末をもって国が終結した同和事業に、市は『新・集中改革プラン』実施中であっても、1億6000万円を超える独自予算を、削減することなく毎年投入しています。
 
近隣市の個人施策はH27年度ですべて終結
栗東市だけ終結時期が未定
湖南地域における近隣5市では、固定資産税の減免や修就学奨励金制度などの同和事業に関わる個人施策は、H27年度末をもってすべて廃止されます。しかし、本市だけが廃止時期を明確に示していません。

「あらゆる分野を近隣市水準にする」と言いながら、“同和事業だけ特別扱い”は通りません。
 


子どもの医療費助成の充実を

せめて就学前だけでも 外来も無料に

少子化対策もある中で、子どもの医療費助成はどんどん広がり、いまや「外来・入院ともに中学校卒業まで無料」が世間並みとなっています。0歳時から有料になっているのは、県内で栗東市だけです。

太田議員は、著しく福祉水準が低い点だと指摘し、改善を求めました。

LEJの税収効果を活用し実現を

就学前医療費の負担軽減は野村市長の選挙公約です。市長は、企業誘致の税収効果は、市民の暮らしのために使っていく最善の努力をしたいと答弁されました。

就学前医療費を無料にするために必要な予算は約4000万円です。太田議員は、H26年度におけるLEJからの税収効果(黒字に転じる4000万円)を活用すれば、すぐに実現できると迫りました。






栗東民報 2014年3月23日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美