栗東民報 2014年1月26日号


消費税率の引き上げと労働者の所得増

「景気回復の実感なし」が国民の多数
    ――消費税増税はやめるべき

4月から8%への消費税増税が待ち受ける中、2014年国民春闘がはじまりました。「景気回復に実感がない」が国民多数の声です。国民生活を守るためにも、日本経済を「デフレ不況」から立ち直らせるためにも、大幅な賃上げはかつてないほど重要な課題です。

日本の経済は大企業が利益を賃上げに回さず、内部留保としてため込む方針を長期にとってきたために、消費が落ち込み『デフレ不況』という深刻な危機を招きました。

経団連が発足した2002年は、日本が戦後最長といわれる不況がスタートした時期です。このときに基本給を底上げするベースアップを論外だと主張し、内部留保の拡大に走った経団連の責任は重大です。

 


『デフレ不況』悪循環の原因は
 大企業の内部留保の蓄積増に

民間企業で働く労働者の平均年収は、2002年の448万円から2012年の408万円へと、約40万円減りました(国税庁「民間給与実態統計調査」)。一方で大企業の内部留保(溜め込み金)はほぼ100兆円増えています。

安倍首相と財界、連合による「政労使会議」に、経済の好循環実現検討チーム(座長:吉川東京大学大学院教授)があります。昨年11月、そのチームが注目すべき報告を出しています。

「なぜ、日本だけ『デフレ不況』という悪循環におちいったのか」という問いに、日本企業が1990年代後半から国際競争力を維持するために賃金抑制と内部留保の蓄積を追求した結果、「企業の利益剰余金は300兆円を超える水準となり、賃金は低下した」と述べ、「これは正常とは言えない」と指摘しました。
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内部留保わずか1%で 月1万円の賃上げが可能

どうすれば『デフレ不況』から脱却できるかは、もはや明らかです。大企業の溜め込んだ内部留保の一部を、労働者に還元することです。わずか1%を還元するだけで労働者一人あたり月1万円の賃上げができる大企業は8割もあります。


全労連・連合が 基本給のアップを要求

いま消費者物価が7か月連続して上昇しています。しかし、賃金は依然として減少傾向です。このまま消費税率が8%になれば、国民生活は大変な打撃を受けることになります。

今春闘で全労連は「月16,000円以上の賃上げ」を要求します。連合も5年ぶりに「1%以上のベースアップ」要求をかかげました。企業の利益の一部を一時金の配分で終わらせるのではなく、基本給のベースアップ、安定した雇用の実現に向けて一丸となったたたかいが求められます。

 


労働者を安上りに使う 労働法制改定をねらう財界

経営者側の春闘方針である経営労働政策委員会報告(経労委報告)は、勤務地などを限定した低賃金の限定社員づくり、残業代なしで長時間働かせる裁量労働制の拡大など、労働者を安上りに使う労働法制の改定を強調しています。こうした動きを止める運動も需要です。

 「企業が世界一活躍しやすい国づくり」をとなえて、大企業応援、国民の暮らし・福祉の削減路線の安倍政権と財界の横暴に対し、労働者・労働組合、国民が力を合わせたたたかいが求められます。

国民の声が届く政治実現に、皆さんと一緒にがんばります。




名護市長選挙結果

民意に従い新吉建設の断念を

米軍新基地建設問題を最大の焦点にした沖縄県名護市長選挙は、新基地建設に反対を掲げた現職の稲嶺進氏が4000票以上の差で当選しました。「新基地いらない」の民意がしっかり示された結果です。

安倍政権は、沖縄県の自民党県連や中井真知事を抑え込み、辺野古埋め立てを承認させました。選挙中も新基地を押し付ける態度むきだしにし、「基地は政府が決める」と言う石破自民党幹事長が名護市入し、「名護振興資金として500億円出す」と宣伝したのは最たるものです。しかし、結果は新基地建設反対の勝利となりました。

沖縄は戦後も長く米軍占領下におかれ、今も基地が密集し、県民は基地被害や騒音・墜落の危険に苦しめられています。こうした苦しみを増す新基地建設に反対するのは当然ではないでしょうか。安倍政権は、沖縄への新基地建設はきっぱり断念するべきです。

米軍の「基地のない沖縄」「基地のない日本」の実現と安心して暮らせる生活環境をめざして、力を合わせましょう。

 




栗東民報 2014年1月26日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美