栗東民報 2013年12月8日号


医療と国民健康保険制度の充実を

   ~草津栗東社会保障推進協議会が栗東市と懇談



自治体名  国保世帯数  滞納世帯   資格証明書交付
(保険証の取り上げ)
     世帯数 
 短期保険証交付世帯数   国保税額(円) 
 世帯数  率(%)
 栗東市   7,403  1,054  14.24  216   701  460,500
 草津市  15,959  2,884  18.07   47   218  432,000
 守山市   9,266  1,195  12.90    9   619  390,300
 野洲市   6,348  1,197  18.86  172   244  427,100
 湖南市   7,233  1,017  14.06   72   531  404,000
 大津市  47,341  6,774  14.31   21  3022  395,700

 *2013.10.16付け滋賀民報から抜粋
 *国保税は40歳代夫婦と子ども2人の世帯で試算(介護分は含まず)


保険証がなければ医療機関にかかれない

重症化や死に至るケースも
国保税を1年間滞納すれば、保険証が取り上げられ、その代わりに資格証明書が交付されます。

資格証明書の交付において、国は「滞納者と面談し、保険税滞納の理由を確認すること」とし、保険税が支払えない理由がない者もしくは払える能力がありながら、払わない悪質滞納者にのみ交付を認めています。

なぜなら、資格証明書は、医療機関の窓口でかかった医療費の全額(10割負担)を支払わなければならないため、実質的に医療機関にかかることができないからです。

保険証が手元になく、資格証明書では病院にも行けず重症化したり、最悪の場合死に至ったケースも出ています(全日本民医連関連の医療機関の調査:H24年1~12月の1年間で死に至ったケースは58件)。



たんとつに多い栗東市の保険証の取り上げ

誰もが安心して医療が受けられるよう 保険証の交付を
近隣市における滞納世帯は15%前後で、栗東市と同じくらいです。(上表参照)。しかし、保険証の取り上げである資格証明書交付数は、栗東市がダントツに多くなっています。同じ皆保険制度で運営されていながら、なぜ栗東市だけがこんなに多いのか。

社保協が栗東市に改善を求めたのは、こうした保険証の取り上げを減らし、誰もが安心して医療機関にかかれるようにすることです。


守山市・草津市は 滞納世帯を軒並み訪問

社保協は、近隣市とも懇談を重ねてきました。

守山市は、滞納世帯を訪問し、資格証明書が交付されている9世帯の実態は、すべて把握していると説明しました。

草津市も訪問をして、2年程前には80件以上あった資格証明書を、47件にまで抑える努力をしています。

栗東市は面談をせず 通知だけで判断

懇談が進む中で、栗東市に資格証明書の交付世帯が多い理由が明らかになってきました。

栗東市は、「1年間滞納した世帯に対し、保険税が支払えない理由を提出するよう求めるよう通知を数回出し、返事がこない場合に、資格証明書を交付している。対象者が、庁舎に納付相談等に訪れ、納税できない理由がわかれば短期保険証に切り替えている」と説明しました。

つまり、面談をせずに資格証明書を交付していることがわかりました。

平田副市長 見直しを約束

「滞納理由がわからない世帯には交付すべきでない」との質問に、平田副市長は「理由を把握するためには、出会わなければできませんね」とした上で、「政令や通達等を再度見直し、交付の仕方を検討していく」と答えました。


就学前の外来医療費の無料化は
  「財政がきびしく困難」

野村市長の選挙公約なのに・・・

就学前の外来医療費の無料化については、「実施したいが財政が厳しく、今は困難」と答えるにとどまりました。野村市長の選挙公約であり、早期に実現することが求められます。
 




栗東民報 2013年12月8日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美