栗東民報 2013年12月1日号


財政危機と言いながら 今年度も補助金を交付

㈱リチウムエナジージャパンに
     2億5000万円

開発や企業誘致よりも 市民福祉の向上に積極性を

新幹線新駅開発にかわるまちづくりである『後継プラン』の目玉として、市は蜂屋地先に、㈱リチウムエナジージャパン(以下、LEJ)を誘致しました。その後、3年が経過しています。

H24年度は、誘致奨励金として、市からLEJに1億3000万円が交付されました。11月27日に開催された地域活性化特別委員会での、市の説明によれば、H25年度は約2億5000万円を交付する予定とのことです。

そのいっぽうで、市民には、財政危機だと言って、あらゆる福祉・教育施策を削減されてきました。周辺市との比較でも、本市の福祉水準は低く抑えられており、市民からはせめて他市並みに改善してほしいとの声があがっています。


伸びない地元雇用

従業員198名中 市内在住者の新規雇用はわずか3名
企業誘致で、市民からもっとも期待されるのが、地元雇用の拡大です。

『栗東市工場等の誘致に関する条例』では、奨励金交付の対象として、「新たに従業員を雇用する場合、当該従業員の30%以上が市内に在住しているものであること」となっています。これに対し、LEJ社における新規採用は8名で、そのうち市内在住者は3名にとどまっています。

誘致して3年になり、従業員は198名(稼働当初は約160名)と少しずつ増えていますが、肝心の地元採用は、当初の3名から増えていません。来春における新卒者の採用についても、「ないと聞いている」と答えるだけで、一向に増える見込みが示されません。

 


雇用が伸びないのは企業が厳しい状況だと言うけれど
市の説明によれば「当初から新規採用の拡大はなされておらず、従業員数が伸びたのはGSユアサ等のグループ企業からの出向などによるものである。3月中旬にLEJ社で製造されたリチウム電池に不具合が見つかり回収作業が行われた。

それにより、4月から第2工場で開始される予定であった増産が進まず、現在企業としても厳しい状態が続いている。今後、増産されていく中で雇用も拡大されるであろう」とのことです。



数億円にも上のぼる補助金交付で
 地元採用が3名は少なすぎる

企業において、こうした事故等が起こりうるのは、十分想定できることです。そのことを理由に、地元採用拡大の目途が示せないようでは、いったい何のために、市民の税金から数億円にものぼる奨励金を交付するのかと言わなければなりません。

市民から「わずか3名ではあまりにも少なすぎる」「期待外れだった」などの声が寄せられています。

市長の市政方針は、トップセールスによる企業誘致で税収確保です。今後、企業誘致を進めていくのであれば、地元の雇用確保にもっと積極的に力を入れるべきです。


企業への奨励金制度は 廃止するべき

隣の野洲市でも、企業へ補助金を交付する制度がありました。しかし、数年前に、財政が厳しいなどの理由で廃止された経過があります。栗東市もこういう条例は廃止すべきと考えます。

そもそも、税金は市民の暮らし・福祉守ることを第一に使われるべきものです。日本共産党は、企業に補助金を交付し、誘致で税収確保をするやり方はやめ、地道に市民の福祉や教育・暮らし・地元の経済活動活性化などにもっと力を入れるべきと考えます。




子どもの医療費 ~せめて就学前まで無料化を

県内で有料なのは 栗東市だけ

栗東市の福祉施策の中で、とりわけ水準が低いのが、子どもの医療費無料化です。県内他市では、最低でも外来・入院ともには就学前まで無料になっています。しかし、栗東市では0歳児から有料です。

昨年の12月議会に「就学前までの医療費無料化を求める請願書」が10、261筆の署名を添えて、市議会に提出されたことで、市はH26年4月から入院のみ中学校卒業まで無料化することを決めました。
 

 中学校卒業までの無料化が いまや世間並みに

H26年4月から米原市が通院・入院とも中学校卒業まで無料化することを決めました。甲賀市・豊郷町・多賀町についで、4番目です。他の市町においても、今後広がっていくことが予想されます。

そういう中で、栗東市の水準はあまりにも低すぎます。せめて他市並みに、就学前・外来も無料化するべきです。
 




栗東民報 2013年12月1日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美