栗東民報 2013年11月17日号


公社借金残高は162億5300万円
『3セク債』発行額は158億2300万円

公社の借金は過去の開発のツケとして
  すべて市民の負担に

栗東市の財政危機の主たる要因は、栗東市土地開発公社(以下、公社)の160億円を超える債務(借金)です。市はこれを『3セク債』として肩代わりすることで、公社を解散し、財政健全化を目指す取り組みを進めています。

11月12日に行われた公社の理事会で、H25年度上半期の決算報告がありました。公社の一時借入金(借金)の残高は、162億5300万円となっています。

このうちの158億2300万円を『3セク債』として、市がこれから30年かけて返済していくこととなっています。これらの大半が、市が開発のために先行取得した土地です。それが、処分できず長年にわたって保有し続けた結果、公社の存続そのものが市の財政を圧迫する事態となり、とうとう市民が負担することになりました。

 


簿価154億1700万円の公社保有地が
 時価評価わずか27億5000万円に

11月12日の公社理事会では、公社保有地のすべてを栗東市に代物弁済することが承認されました。保有地の面積は合計で約101,000㎡、地目は山林や田・雑種地・宅地などで、91筆あります。

これらの簿価は、総額で154億1700万円にものぼります。ところが、時価評価額は、わずか27億5000万円(簿価の約18%)にすぎないことが明らかになりました。

 



差額の126億6700万円は 『3セク債』で市民が負担

時価と簿価の差額126億6700万円は、『3セク債』の中で、市民が負担していくことになります。

公社保有地を処分しても、その処分価格より、市が公社に補填しなければならない額(時価と簿価の差額)の方がはるかに大きく、安易に処分できません。

こうした状況が長年続く中、ますます地価が下落していき、公社の存在そのものが、市の財政を圧迫する事態となっていました。


公社の土地取得における判断の甘さも

91筆の公社保有地は、今後市が直接管理し、処分していくことになります。これらの中には、田や山林など、公共用地として適切かどうか疑問に感じるものも少なくありません。

また、先行取得したものの、状況に応じた活用や処分ができず保有し続けたことも、財政危機を招いた要因です。先行取得すべきかどうかの判断にも甘さがあったと指摘せざるを得ません。



公社理事長を 市長が兼務は「不適切」
  ~指摘されても改善されず

公社理事会は、理事長に市長、副理事長に副市長、事務局に総務部長・政策推進部長、理事と監事に市議会議員(3名)と学識経験者(7名)があたり、合計14名で構成されています。

市長が理事長を兼ねていることについて、H18年12月に議員提案で設置された100条調査委員会から「市民目線で不自然であり、透明性に欠ける原因にもなりかねない。別の人物にすること」と指摘されていました。

これを受け、日本共産党議員団は改善するよう何度も求めてきました。
その後、公社解散にあたり、市が設置した公社経営検討委員会からは「市の職員が公社の役員を兼務していたため、土地取得の決定等に関して事実上のチエックは働きにくい環境であった」と指摘されました。

しかし、いまだに市長が理事長を兼務しています。


公共用地は市が直接取得すべき
 ~公社はもう必要ない

 公社経営検討委員会は今後公社による土地先行取の必要性はないとして、『3セク債』を活用して、廃止するのが相当であると結論づけました。

日本共産党議員団としても、公共用地は市が直接取得すべきもので、公社は必要ないと考えています。



来年夏から中学校にエアコン

小学校への設置時期は未定
11月12日に行われた自治労連主催の『自治体キャラバン』で、小中学校へのエアコン設置を求める要望に対し、市は「中学校については、今年度中に設置工事を完了する」と答えました。しかし、小学校については早めに設置したいとしながら、大規模改修など先行すべき工事があり、設置時期は未定との回答でした。

 『自治体キャラバン』は、福祉・教育・経済・防災など市民生活全般にわたった要請行動です。住宅リフォーム制度の創設・再生可能エネルギーの活用・子どもの医療費無料化の拡充・中学校給食の実施などについて積極的な要請がなされました。太田浩美議員も参加しました。

 




栗東民報 2013年11月17日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美