栗東民報 2013年6月23日号


財政危機と言いながら
H24年度最終の補正予算で6億5100万円を積み立て

H23・24年度の2年間で
栗東市の基金残高は12億円に

6月10日から6月議会が始まっています。当局から提出されたH24年度一般会計補正予算(最終)において、6億5100万円もの予算が財政調整基金などに積み立てられていることがわかりました。

栗東市は、これまで市民に「財政が危機的だ」として、『財プロ』や『新・集中改革プラン』を策定し、福祉・教育など暮らしに関わる施策を削減し、市民への負担増を繰り返してきました。

その結果、H23年度には4億3300万円、H24年度は6億5100万円を基金に積み立て、基金残高(貯金残高)は11億9000万円を超えています。

財政も健全化の傾向となり、10月実施予定の水道料金の値上げやH26年度の『新・集中改革プラン』は、もう必要ないと言えます。


基金は増え 借金は減る 財政は健全化

H24年度末の起債(借金)残高は、昨年度から約12億円減っています。さらに18日に行われた太田浩美議員の個人質問で、市は「H24年度の決算剰余金(次年度繰越金)は、約4億5000万円出る見込みである」と答えました。昨年度に引き続き、今年度も基金(貯金)は増え、借金が減り、剰余金が出る「黒字決算」であり、健全財政となっています。


もう必要ない やめるべき

 『新・集中改革プラン』 と 水道料金の値上げ
H26年度は『新集中改革プラン』(以下、『プラン』)の最終年度です。今後、市民への負担増が予定されているのは、10月から実施予定の水道料金値上げとH26年度の『プラン』であり、その合計額は3億4350万円です。

太田議員は「基金を取り崩さなくても、H24年度末の剰余金で十分まかなえる額である」として、水道料金の値上げおよびH26年度の『プラン』の実施を中止するよう求めました。

これに対し、市は財政健全化の傾向を示していることは認めながらも「まだまだ、財政は予断を許さない状況であり、長期的な安定化を目指し、水道料金値上げも含め、『プラン』は予定通りH26年度まで実行する」と答えました。


 


たばこ業者への貸付金9億円はいまだ返済されず
たばこ税も契約どおり納税されず

          

『新・集中改革プラン』や『財プロ』などの
市民負担増で穴うめする財政運営

H20年7月、市はやっとたまった基金2億5200万円から、大半の2億5000万円を㈱クリアゲートに貸付けました。その後、クリアゲ―トから年間5億円以上のたばこ税を納税する契約をしながら、H22年度以降は1億3000円程しか納税されていません。

返済期限が過ぎた㈱TSR・㈱CSRへの貸付金9億円も、回収の目途すらついていません。

その一方で、『財プロ』や『プラン』等での市民負担増はH20~23年の4年間で21億4900万円にも上っています。これまでの市の失政を、市民への負担増で穴うめする財政運営になっていることは明らかです。

基金は、もともとは市民が払った税金です。税金は市民生活向上のために使われるべきものであり、『プラン』はもうやめるべきです。


増えた基金や剰余金を有効活用し
市民福祉の向上を

市は「H26年度も『プラン』を実行し、緊急時のために基金を一定額積み上げ、元気都市栗東をつくる」と答えました。さらに、「一定額とは、標準財政規模の10%で、栗東市は約13億円です」と説明しました。

現在の基金残高は約12億円です。財政にある程度の余裕が出てきていることがわかります。

市は、今後160億円規模の『3セク債』が出てくることを懸念している様ですが、何度も市の失政や莫大な過去のツケを市民に肩代わりさせるのであれば、負担増を押し付けるばかりではなく、増えた基金や剰余金などを有効活用し、H20年度から削減し続けた市民福祉を、今度は充実するべきです。




栗東民報 2013年6月23日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美