簿価4260万円の保有地(農地)を処分
売価は250万円に
差額の4010万円は『3セク債』で市民が負担
~公社過去のツケがすべて市民負担に~
栗東市土地開発公社(以下、公社)は、H26年3月の解散に向け、事務処理を進めています。公社の負債は公社の負債はH24年度決算で162億円となっており、この額が『3セク債』として、市民が今後30年かけて返済していくことになります。
市民負担を軽減するためには、公社の保有地を適切な価格で売却(処分)し、負債額を減らしていくことが求められます。
5月30日に行われた公社の理事会で、保有地の処分が提案されました。その内容は、簿価4260万円の農地を250万円(簿価の約5.8%)で処分すると言う驚くべきものでした。その差額約4010万円は、『3セク債』の中に組み込まれ、市民が負担することになります。
これまでの公社の経営には計画性がなく、その時々に応じた用地取得や売却等がまったくできていなかったと指摘せざるを得ません。
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開発の見通しの甘さ 処分せず放置してきた結果
膨らんだ負債
この農地はH4年4月に、手原新屋敷線(都市計画道路)の代替え用地として、30,250円/㎡で取得されています。
その後、手原新屋敷線が整備され、H10年には代替え用地の必要性がなくなっていました。本来なら、この時点で処分すべきです。しかし、市は「国道8号バイパスが事業化される際の代替え用地として必要性が出てくると判断し、処分せず持ち続けていた」と説明しました。
その後国道8号バイパスの事業化は市の予想通りには進まず、地価はどんどん下落していきました。
H24年7月に市が行った不動産鑑定では「2,500円/㎡程度が、処分価格として相当である」との鑑定結果が出ました。
機会があったにもかかわらず処分しなかった判断の甘さやその後代替え用地として活用が進まないにもかかわらず保有し続けたことが、負債をますます膨らませています。公社経営の甘さだと指摘せざるを得ません。
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市が農地を持つことは 法的に不適切
公社の理事会では「30,250円/㎡で取得した土地を2,500円/㎡で処分するのは、あまりにも安価すぎる。地価が上昇するまで、もう少し待ってはどうか」との意見が出されました。
市は「解散後、公社の土地は市が持つことになる。自治体が農地を持つことは、法的に適切ではない。解散までに処分する必要がある」答えました。
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当初の代替え用地の取得が 間違いだったのでは
対象となった保有地は、進入路もない農地(出庭753-1)で、周囲もすべて田んぼで、農地としてしか活用できない農業振興地です。なので、処分先も農家であり、近くに農地を持つ人であることなど、限られてきます。
こういう使い道の限られた土地であり、後に市が持つこともできない土地を代替え用地として取得すること自体、間違いだったのではないかと指摘せざるを得ません。
過去の話とは言え、こういう判断の甘さが、今日の財政難を招いた大きな要因です。
同様の農地は、あと1件あり、解散までに処分すると、市は説明しています。
公社の過去のツケが160億円規模の『3セク債』となって、市民に押し付けられようとしています。
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栗東民報 2013年6月9日号
日本共産党栗東市委員会発行
市委員長 國松清太郎
市会議員 大西時子
市会議員 太田浩美 |
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