安倍政権が進める「子ども子育て新制度」は
企業の参入の拡大や保育基準の緩和が中心
保育の公的責任は後退 待機児童は放置
保育園に申し込んでも満員で入園できない“待機児童”の存在が社会問題になっています。少子化でありながら、保育園を希望する子どもは増加傾向にあります。
安倍政権は、成長戦略で「5年で待機児童ゼロ」を掲げていますが、その中身は規制改革と社会保障制度改革で、保育への企業参入の拡大・基準緩和などの規制緩和を進めるものです。
政府は、民主党政権時代に、民主・自民・公明の3党合意で強行した『子ども子育て新制度(以下、新制度)』のH27年4月の施行を目指しています。市町村に国の方針にそった計画策定の準備をさせるため、今年度中にさまざまな基準を示す方向で動いています。
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「保育士の半数無資格でも可」
~小規模保育施設での認可規準案
新制度の具体化を進める国の「子ども子育て会議」では、保育の必要性と保育時間の認定基準、施設の面積基準、保育士の資格や人員配置などの条件整備の基準などが議論されています。
現在8時間が基準となっている保育時間も、『新制度』では保護者がパート就労の場合は、最大でも1日6時間までしか預けることができなくなる可能性も出されています。
また、認定こども園や小規模保育、家庭的保育、事業所内保育などを中心事業として推進しようとしています。待機児童の9割を占める0~2歳児の受け皿と位置づけられている小規模保育施設(定員6~19人)では、保育者の半分は無資格でもよいとする案も出されています
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保育の質も後退 保護者の願いに逆行
保護者や保育関係者が求めているのは、「子どもの詰め込み」ではなく、「安心して預けられる保育の拡大」です。安倍政権が進める規制緩和中心の『新制度』で、保育の質がよくなることはありえません。親たちの願いに逆行する『新制度』はやめるべきです。
保育を充実するために必要なことは、国や自治体が認可保育園の増設や保育士などの人員確保に力を入れ、保育における公的責任を果たすことです。
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新制度のしくみと公的責任の後退
『新制度』では現在の児童福祉法24条に規定されているような市町村の保育の実施義務がなくなります。現在の私立保育園と市町村との委託関係もなくなります。市町村は、保育の必要性の認定(認定書の発行)だけを行い、認定を受けた子ども(保護者)が保育園をさがし、保育園に直接入園を申込み、そこで契約を結ぶことになります。
認定書が発行されても、園で空きがなく、契約ができなければ、認定書はただの紙きれ同然です。契約のミスマッチとして扱われ、「待機児童」という概念そのものがなくなります。事実上、待機児童は解決どころか放置されてしまいます。
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栗東市でも待機児童の解消は
親たちの切なる願い
H25年度8月26時点の待機児童数
年 齢 |
人数 |
0歳児 |
14人 |
1歳児 |
4人 |
2歳児 |
10人 |
3歳児 |
1人 |
4歳児 |
0人 |
5歳児 |
0人 |
合 計 |
29人 |
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過去の待機児童数 H24年度49人 H23年度89人
栗東市においても、保育園に入りたくても入れない待機児童が、毎年数多く存在しています。現在は29人の子ども達が入園を待っています。
『新制度』による「栗東市子ども子育て会議(以下、子育て会議)」が、6月末に設置されました。今年度は、アンケート調査を実施し、保育ニーズを把握するとしています。
子育て会議を、子育て支援の充実と待機児童の解消につなげるためには、保育を保護者の自己責任にするのではなく、保育士の確保や施設の拡充を中心にした保育計画の策定が求められます。
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栗東民報 2013年9月1日号
日本共産党栗東市委員会発行
市委員長 國松清太郎
市会議員 大西時子
市会議員 太田浩美 |
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