栗東民報 2013年8月18日号


いのちと健康をまもる公的医療としての
             ~国民健康保険制度

国保税「高すぎて払いたくても払えない」
   草津市・守山市が引き下げ

国保税が高すぎて、払いたくても払えない」―。滞納世帯は加入世帯の約2割にのぼり、国保税を払えないために保険証を取り上げられ、医療機関にかかれない人が後を絶たないと言われています。

滋賀県内19市町において、年間所得300万円の世帯で国保税が40万円(年額)を超える自治体は、8自治体となっています(下表参照)

今年度、草津市と守山市において、国保税が引き下げられました。栗東市の国保税は、県内でもずば抜けて高い額になっています。「草津市や守山市民がうらやましい~」と、引き下げを求める声が高まっています。

 県下一高い栗東市の国保税 払える額に引き下げを

年間所得300万円の世帯に46万円超
全国の国保加入者の所得に占める保険料の負担割合は、平均10.1%(H23年度)となっています。栗東市の国保税は、県内で最も高く、年間所得の15.3%を占めており(下表参照)、もはや支払い能力の限界を超えています。

2013年度の国保税 

自治体名   国保税 年額(円)
 (昨年度比較)
 所得に占める割合(%)
 栗東市  460,500 15.3
 草津市  423,000
(-12,900)
14.4
 守山市  390,300
(-32,100)
13.0
 野洲市  427,100 14.2
 湖南市  404,000 13.5
 甲賀市  407,200 13.4
 大津市  395,700 13.2
 高島市  328,900 11.0
 近江八幡市  409,200 13.6
 彦根市  434,580 14.5 
 長浜市  397,450 13.2 
 米原市  431,300 14.4 
 東近江市  399,800 13.3 
 日野町  369,000 12.3 
 竜王町  356,900 11.9 
 愛荘町  375,300
 (+69,200)
12.5
 豊郷町  365,200 12.1 
 甲良町  317,800 10.6 
 多賀町  339,500 11.3 
*年間所得300万円・40歳までの夫婦と子ども2人の4人世帯で試算
  (8月4日付けの滋賀民報から抜粋)

滞納者の約75%が 所得200万円以下世帯
栗東市のH23年度における滞納世帯数は、1196世帯(加入世帯の14.3%)で、年間所得200万円以下世帯が滞納世帯の約75%を占めています。このままでは、払いたくても払えない滞納世帯を増加させるだけです。生活実態に見合った税率に見直すべきです。
 



「国民皆保険制度」を掘り崩す
 保険証の取り上げはやめるべき

保険税を1年間滞納すれば正規の保険証が取り上げられ、資格証明書が交付されます。市役所の窓口で納税相談をして分割などで保険税を納めれば、滞納があっても有効期間の短い短期保険証が交付されます。

資格証明書での病院窓口での支払いは、全額自己負担となります。保険税を払えない低所得者がとても負担できる金額ではありません。そのため、具合が悪くても受診せずに我慢を重ねた結果、重症化したり、最悪の場合手遅れとなって命を落とす事態も、全国的には出ています。
 

栗東市は203件も だんとつの多さ
栗東市の資格証明書交付数は203件(7/1時点)です。草津市は49件、守山市は9件であり、栗東市の多さは周辺市の中でも際立っています。

「国民皆保険」の原則を掘り崩し、生活困窮者のいのちと健康を危機にさらす保険証の取り上げはやめるべきです。

低所得者世帯に負担の限界を超える税金を課し、滞納すれば保険証を取り上げるのではなく、速やかに払える国保税に引き下げることが求められます。

市独自の繰り入れで 国保税の引き下げを

国保税が県内で2番目に高かった草津市は、H22~24年度一般会計から市独自の繰り入れを行っています。その結果、今年度税率を引き下げることになりました。草津市は、H25・26年度も市独自繰り入れを継続するとしています。

栗東市は、財政難を口実にH21年度から市独自の繰り入れを行わなくなりました。国保税が引き上げられた大きな要因です。その頃に底をついていた一般会計の基金も、現在では12億円ほど積み立てられています。こうした基金を有効活用し、国保税を引き下げるべきです
 





栗東民報 2013年8月18日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西時子
 市会議員 太田浩美