栗東民報

栗東民報 2012年12月2日号

たばこ業者への貸付金未回収問題

違法な貸し付けの実態が明らかに

栗東市は、H12年に鰍sSRに貸し付けた5億円が、返済期限が切れているにもかかわらず未回収となっている問題で、全額返済を求めて大阪地裁に提訴していました。

今年の3月に鰍sSRは、栗東市の主張を全面的に認め『認諾』しました。ところが、その後の双方の弁護士を通しての交渉で、鰍sSRからは返済の目途が立たないため、返済計画すら立てられないなどして、一向に返済の意思が示されていません。

こうした事態に、住民らは情報公開で裁判の準備書面を入手しました。そこには貸付に関わる栗東市と鰍sSRとのやり取りについて、違法性が認められる記述があり、11月26日、5名の住民が違法な貸し付けを行ったとして、元市長らに対し損害請求を求める住民監査請求書を提出しました。

 



 
    


 

裁判の準備書面から
まともな貸し付けとは思えない事実が
                    次々と
監査請求書では、以下の3つの点が明らかになったとしています。一つ目に、H10年から『栗東市企業誘致条例』によって、鰍sSRは市から奨励金を支給されていました。

ところが、H11年に国の指導によって、その条例が廃止され、代わりにH12年に市は『企業事業資金貸付条例』を制定し、たばこ業者への貸付を始めました。

鰍sSRは、奨励金支給がストップしたために、経営が赤字に転落したとして、貸付金は返済できないと主張し、当時(H10年7月〜14年1月)の決算書を市に提出しています

。しかし、決算書によれば利益に落ち込みはあるものの、黒字決算となっています。これに対し、市は何の反論もしていません。黒字で、しかも利益も計上されており、返済能力があると見なし、速やかに返済を求めるべきです。



貸付金の返済原資を 市が鰍sSRに提供

『(仮)新たばこ条例』の制定で
  貸付金に充当する奨励金を支給する提案

2つ目に、鰍sSRが「返済能力がない」と主張したために、鰍sSRからの返済原資(貸付金5億円)を、栗東市自らが鰍sSRに提供するとの条件を鰍sSRに提案していたという事実が判明したとしています。

市は「担当者がその段階における考えや見通しを告げただけにすぎない」として条件を出したことを否定していますが、H15年12月議会に提案された『栗東市企業事業資金貸付条例改正案』は、市が鰍sSRに返済をしなくてもよいという条件として制定する予定であった『(仮)新たばこ条例』で支給される資金を、貸付金返済に充当するよう提案していた事実を裏付ける内容となっています。

その後の税制改正により市町村たばこ税道府県交付金が創設されたため、本条例改正案は取り下げられました。しかし、こうした経過から、貸付金を返済しなくてよいという約束があったのでしょうか。税金の使い方が問われる問題です。真実を市民に明らかにすべきです



 

たばこ税増収のために行った
同一業者への10億円の貸付は条例違反
3つ目に、市は鰍sSRが100%出資する子会社の鰍bSRにも5億円の貸付けをしています。市の条例・規則では、一つ事業者に5億円を限度として貸付ができるとしています。

しかし、鰍sSRと鰍bSRは、住所・経営者ともに同じであり、準備書面等からも実質的に同一事業者と判断せざるを得ません。監査請求書では、一事業者に10億円の貸付を行ったのは条例違反であるとしています。

なお、提出された監査請求書は、監査委員会で受理された後、請求人の意見陳述を経て、提出日から60日以内に監査の結果が出る予定です。


 












栗東民報 2012年12月2日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ