野洲養護・栗東分校は廃案 現校舎へのさらなる増築計画案
保護者説明会で
大規模化懸念の声が相次ぐ
近年、養護学校(特別支援学校)へ通う児童生徒が増加しており、県内どこの養護学校においても増築につぐ増築で、大規模化が懸念されています。なかでも、栗東市の子ども達が通う野洲養護学校はH20年4月に新設され、当時191名程度だった児童生徒数はH24年度301名となり、わずか4年で10教室が増築されました。
しかし、その後もさらに増え続け、3年後のH27年度には395名と推定されており、これに対応する速やかな抜本対策が求められていました。
10月29日に開催された保護者説明会において、県教育委員会(県教委)は、現在の野洲養護学校の敷地内に、さらに100名規模の校舎を増築することで対応したいと説明しました。保護者からは、増築案は大規模化を助長するものだとして、反対の声が相次ぎました。
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本校舎は2階建て・最初の増築は1階・今回の案は3階
計画性のない対策
県教委の説明は「うやむや」
大規模化の対応策として、今年2月に県教育委員会から提示された『栗東市川辺にある県立聾話(ろうわ)学校敷地内への野洲養護・栗東分校の設置案』は、両校の保護者から、聾話と知的障害・肢体不自由という障害の中身が全く違う子ども同士の接触事故が懸念されるとして、白紙撤回を求める要望書等が出されたため、断念すると説明しました。
その上で、県教委は最初の1階建ての増築校舎の奥に、さらに3階建ての校舎を増築し、400名規模の対応を図りたいと説明しました。
これに対し、保護者からは「これ以上の大規模化を防ぐとして分校案が出された経過を、全く無視したものである」「300名に満たない現状でも児童の行方不明や落下事故がおこっている。さらなる増築は、現場の実態を踏まえた対策ではない」「大規模化に伴うスクールバスの配車や給食施設、教職員の配置などの対応がうやむやである」などの批判が相次ぎました。
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栗東の保護者からも 反対意見
栗東市からは53名(小学部25名・中学部9名・高等部19名)の子ども達が通っています。
聾話学校敷地内への分校案の説明で、県教委は「栗東から90分という長すぎる通学時間を、改善する」ことをかなり強調し、同意を求めておきながら、今回の説明会では、その様な話は何もなかったかのような口ぶりでした。
栗東地区の保護者から「栗東の子ども達は、これまでないがしろにされてきた。この増築案では何も改善されない」との指摘がありました。県教委は「その通りです」と認めながら、「他に適当な土地(新築などをするための場所)がない」として、H25年度から設計に入りたいと説明しました。
この増築案は保護者の声を全く無視したものです。こういう強引なやり方を改め、現場や保護者の意見を十分聞いた上で、進めるべきです。
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野洲養護保護者が要望書
増築案撤回を求める
11月5日、野洲養護学校の保護者が知事と県教育委員会に対し、増築案には賛成できないとして、学校・保護者の意見を聞く場を設定し、現場の意向を踏まえた案の作成や分校案や増築ではなく将来を見通し新設校の開校をするなどの抜本対策を求める要望書が提出されました。
大阪府や奈良県などの近畿圏内でも、養護学校の大規模化は児童生徒の安全確保の点から問題があるとして、適正規模(150〜200人)に近づけるために、続々と新設されています。野洲養護学校の地域を「全国一の増加率」と言いながら、増築で済まそうとする県と県教委の対応は、全く納得のいくものではありません。
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7464筆の署名 〜11月7日時点
他市並みに・せめて
就学前までの医療費を無料に!
栗東の医療をよくする会(代表:石黒やよい氏)が行っている『就学前の子どもの医療費無料化を求める請願署名』が、7464筆寄せられています。
子育て中のお母さんの間で「県内で0(ゼロ)歳児から有料なのは栗東市だけ。進んでいるところは中学生まで無料。せめて、栗東でも他市並みに学校に行くまでは無料に」「子どもの医療費負担は、月500円でも大変。月末に風邪をひいたら、がまんさせて月初めに病院に連れて行きます。月初めの待合室は子連れの患者さんでいっぱいです。栗東市も、以前のように子育てしやすい街に」などの声が広がっています。
スーパー前や幼稚園前などで署名活動を続け、12月議会に提出する予定とのことです。
ご支援ご協力をお願いします。
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栗東民報 2012年11月11日号
日本共産党栗東市委員会発行
市委員長 國松清太郎
市会議員 大西とき子
市会議員 太田ひろみ
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