栗東市新産業地区工業団地に
新たな工場誘致が決まる
『株式会社 手原産業倉庫』 稼働開始はH27年7月の予定
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地元雇用の確保・税収効果も不明確
9月議会において 賛成多数で可決
企業が、栗東市内に工場等を新設し、市の奨励措置を受けようとする場合は、あらかじめ議会の議決を得ることと条例で定められています。
去る9月議会において、蜂屋地先の栗東市新産業地区工業団地に誘致する『株式会社手原産業倉庫 栗東物流センター(仮称)』に奨励措置を講じることに対し、議会の承認を求める議案が提案されました。
環境建設常任委員会での市の答弁によれば、まだ企業と地権者との借地契約が整ったばかりで、現時点で企業からの税収や地元雇用の確保など、市民が期待する誘致効果の具体的な内容は、全く不明確な状態です。
奨励措置である固定資産税額1/2の交付の詳細についても、市は「建築内容がわからないため、H26年3月の工場完成後でないと、交付額も期間も判断できない」と答弁しています。
誘致効果や市民への影響など、具体的な内容が全く不明確な議案を提案する市の責任も問われるところですが、賛成する議員の責任も重大だと指摘せざるを得ません。
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奨 励 金
交付額や期間を明確にして 議会に承認を求めるべき
栗東市工場等誘致に関する条例では、新産業地区工場団地に工場を新設する場合、その投下固定資本の額によって、固定資産税額の1/2を6年間もしくは10年間交付することを定めています。
市民の暮らしのために使われるべきに税金を、企業に数年にわたって交付するのですから、その額や期間を明確に示した上で、議会に意見や承認を求めるべきです。
日本共産党は、詳細が判明したH26年3月以降に提案すべき案件であるとして、工場誘致に対し議会の承認を求める議案について反対しました。
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地元雇用
正社員はゼロ パート社員等で対応
企業が奨励措置を得るには、「新たに従業員を雇用する場合、30%以上が市内在住者であること」と条例で定められています。
市は、誘致が決まった且闌エ産業倉庫の物流センターは大阪営業所の移転によるもので、従業員数は250名、うち正社員は10名、残りの200数十名が派遣・請負を含むパート社員であると説明しました。
さらに、「当該企業の正社員10名は大阪営業所からの異動で配置されるため、新規雇用はない。操業開始から当分の間はこの状態で営業し、パート社員を地元雇用で対応したい考えである」と説明しました。
今後の正社員への地元雇用の確保やパート社員のどの程度が市内在住者なのかなど、詳細はまだ何も決まっていません。
固定資産税額の1/2を、6年間もしくは10年間交付することを決めながら、正社員としての地元雇用をひとりも確約できない事態は、市民として納得できることではありません。
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条例で定められた地元雇用 確保されたケースなし
H22年度から毎年1億円ずつ、5年間で5億円の奨励金とH24年度からは、さらに固定資産税額の1/2を5年間交付する潟潟`ウムエナジージャパン(LEJ)における地元の新規雇用は、LEJ3名、請負58名にとどまっています。従業員680名もの企業でありながら、伸びが見受けられません。
栗東市の工場誘致におけるこれまでの経験で、条例に記載された地元雇用が確保できたケースは確認できていません。地元雇用が確保できなければ、多額の税金を投じて、奨励措置を講じた意味がありません。
こういう状況でありながら、企業には1億2800万円(H24当初予算)を交付する一方で、市民には『財プロ』や『新・集中改革プラン』で、4年間で21億4900万円もの負担増を押し付けています。暮らしを守るべき自治体として本末転倒ではないでしょうか。
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栗東民報 2012年10月7日号
日本共産党栗東市委員会発行
市委員長 國松清太郎
市会議員 大西とき子
市会議員 太田ひろみ
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