県の対策工の掘削は処分場周囲と上部だけ
処分場中央部の深部は手つかず
県の対策工事(案)の最大の問題点は、元従業員の証言でもあり、地下水汚染を引き起こしている原因物である『深いところに埋め立てられた数千本ものドラム缶の内容物』を撤去する内容になっていないことです。
ドラム缶の内容物は、クリーニングや工場の機械などの洗浄に使用する廃洗浄溶剤であり、非常に発がん性の強い揮発性有機化合物(VOC類)であることが、県の調査で判明しています。
高濃度の表層ガスが検出された木くず焼却炉周辺は、VOC類の本体が存在する可能性が極めて高い場所でありながら、県の対策案では3〜5m程度の掘削にとどまっています。
VOC類は比重が重く地中に深く浸透するため、この程度の掘削では、その本体を捉えることができず、有害物の地下水への流出を防ぐことはできません。最近問題視されている「胆管がん」の原因物質であるジクロロメタンに類する廃洗浄溶剤が多量に含まれていることも見逃せません。
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H17年12月。RD処分場西市道側。ダイオキシン、鉛、PCBなど多くの有害物が詰まったドラム缶が掘り出されました。元従業員の証言では、これと同じものが数千本ほど埋め立てられたと言われています。 |