栗東民報

栗東民報 2012年9月2日号

貸付金が返済されない 税収が確保できない

問われる市政運営・財政難の原因に

 

税収確保のための『たばこ貸付金』が
  逆に財政を苦しめる結果に

栗東市は、鰍sSR等のたばこ業者(4社)に対し、合計19億円を10年間貸し付けています。

条例に「10年間で50億円以上の税収が見込めるもの」「償還方法は満期一括償還」、また契約書には「公正証書の作成義務」「各年度に5億円以上を10年間納入すること(潟Nリアゲ―トのみ)」等が明記されているにも関わらず、こうした約束がどの業者においても守られていないことが、8月24日の議会説明会で明らかになりました。

税収確保を目的に貸し付けたことが、逆に財政を苦しめています。本来、市民の暮らしや福祉向上に使うべき税金を、企業に貸し付けた市政運営や賛成してきた議員の責任が問われます。
*公正証書とは、作成しておけばお金の返済がない時に、いつでもその人の財産(給与や預金、家財など)を差し押さえて換金することができるというものです。




鰍sSR

裁判で全額返済を認めたものの
 経営不振で返済計画が立たないと言い訳


5億円を貸付けており、H22年12月25日に満期日を迎えたものの、返済がなかったため、市はH23年3月25日に全額返済を求め、提訴しました。その1年後の3月26日に鰍sSRが市の主張を全面的に認めて、『認諾』することになりました。

この結果を受け、弁護士を通じての話し合いが行われる中、8月6日、市が返済計画の提出を求めたところ、相手企業から「経営不振であり、計画が早期には立てられない」との返事があったと説明しました。


 




鰍bSR

返済猶予を求める文書  〜鰍sSRの系列企業

鰍sSRの系列企業で、同様に5億円貸し付けています。返済期日の4日前に、貸付金の返済猶予を求める文書が、市に送られてきました。これを受けて、市は「返済意志があると判断し、提訴はせずに、鰍sSRと同じステージで返済に向けた交渉をする」と説明しました

10年前の貸付を行う際、「鰍sSRと系列企業であり、貸付はできないのではないか」との指摘に対し、市は「別企業であり、問題ない」と説明していました。ところが、返済にあたっては「同じ系列の企業であり、貸付金10億円を一括にした返済計画の提出を求める」としています。まさに、その場しのぎの対応ではないでしょうか。



 








キシダサービス

民事調停で 10年間の分割返済に

4億円の貸付期限が迫る中、H12年12月13日に相手企業から、経営状況が厳しいことを理由に、貸付金の返済猶予を求める調停の申し出がありました。

H23年6月10日、10年間の分割払い(3000万円×9年間、最後の年に1億3000万円)で、調停が成立しました。ところが、今になって「返済期間の10年間は短すぎる」などと言ってきているとのことです。

一括返済されるべき貸付金が分割になったことで、市財政や市民生活に大きな影響を与えています。市は、その責任の重大さを認識し、再び約束不履行などの事態を招かないよう、しっかり対応するべきです。



 






潟Nリアゲート

契約書に記載された税収が確保されず
  守られたのは最初の2年だけ

H30年6月末日に5億円の返済期日を迎える企業で、契約書には「各年度において栗東市へ市税を5億円以上、10年間納入する」と明記されています。ところが、この約束が守られたのは最初の2年間だけで、H22年度1億3400万円、H23年度1億3200万円と大幅に落ち込んでいることが判明しました。

太田浩美議員が「契約違反であり、直ちに貸付金を返してもらうべきではないか」と指摘をしたところ、市は「契約書の内容を精査しており、履行されなかった場合の法的対応も含め検討中である」と答えました。

いまだに、公正証書も作成されておらず、何のための契約書かと言わなければなりません。貸し付けたお金はすべて税金です。市民には財政危機を口実に、様々な福祉施策を削減しながら、貸したお金が返ってこない上に、契約書に記された税収も確保されない事態は許されません。










栗東民報 2012年9月2日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ