栗東民報

栗東民報 2011年9月18日号

県は「地下水汚染の恐れがある有害物は全て撤去」というものの
財源は国の補助金だのみ
  県の方針は「絵に描いた餅」か?!

RD処分場問題

県の掘削調査は深さ5mまで
地下水汚染の原因物まで到達するには程遠く

8月23日、県は専門家から助言を受けるために設置した有害物検討委員会で、H24年度中に高濃度のガスが集中的に検出された木くず焼却炉付近から1万m3の土壌を掘削し、ガスの発生源であり地下水汚染の原因物と推測される揮発性有機化合物を除去する方針を発表しました。

しかし、掘削調査(1次調査)の深さは約5mであり、この程度の深さでは地下水を汚染している原因物までたどり着くことはできません。

県は、木くず焼却炉付近の掘削調査と並行して処分場内の詳細調査(2次調査)を行い、H25年度には見つかった有害物を除去するとしています。

ところが、こうした対策工事にかかる費用については、国の補助金(産廃特措法の適用)がなければ、実施できないとの説明でした。県単独では有害物を除去する意思は見受けられず、国の補助が必ず受けられる保障もなく、「絵に描いた餅」になるのではないかと、住民の不安はつのります。


高濃度ガスの原因物は『揮発性有機化合物』

県コンクリートも粘土も通過 
水に混じりやすく発がん性も


地下水を汚染している有害物質の中で、最も水に溶けやすいものが揮発性有機化合物です。県の地下水調査でも、いくつかの揮発性有機化合物が基準値を超えて検出されています。

揮発性有機化合物は人工的に合成された化学物質で、主な特性は、
@水に混じりやすい。
A発がん性の可能性があり、地中で変化してさらに発がん性の強い物質になることがある。
Bコンクリートや粘土を通過し、封じ込めはできない。地下深くに浸透し、広域で地下水を汚染する。
などです。

揮発性有機化合物は、『油のかたまり』のようなもので、実態がつかみにくく、これまでのボーリング調査や分析等によって、存在する場所をつき止められたことがありません。他府県の事案でも掘削によってしか除去に至っていません。処分場の地下水層まで深く掘削し、除去することが求められます。





周辺自治会と県との協議
治田東コミセンにて(9月5日)

隣の守山市では
『揮発性有機化合物』が水道水を汚染

隣の守山市で11年前に四塩化炭素(揮発性有機化合物の一種)が地下水に流れ込み、その後基準値を超えて水道水まで汚染した実例があります。

1989年に守山市で四塩化炭素による地下汚染が確認され、その5年後に市内の立入水源地において水道水の原水(浄化前の水)が汚染され始めました。その後年々汚染がひどくなり、とうとう2000年には水道水(浄化後の水)まで基準値を超えての汚染が確認されました。

このことが明らかになり、住民から「何も知らされず、飲まされていた」として、大きな社会問題になりました。

栗東市でも、このままでは守山市と同じようなことが起こりかねません。速やかに揮発性のガスが検出された周辺を掘削し、地下水を汚染している原因物を取り除き、飲み水の安全を守るべきです。




2005年12月。RD処分場西市道側。
ダイオキシン、鉛、PCBなどの有害
有害物がたくさん詰まったドラム
缶が掘り出されました。数千本ほ
ど埋め立てられた。









栗東民報 2011年9月18日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市委員長 國松清太郎
 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ