栗東民報

栗東民報 2011年7月10日号

保育園に入りたくても入れない
 待機児童が28人も!

保育園に入園申し込みをしても満杯で入れない子ども達(待機児童)が、全国で約46,000人もいると言われています(厚労省発表)。全国的に少子化でありながら、保育需要は増える一方です。

栗東市でも毎年多くの待機児童が出ており、H23年3月末で68人にも及んでいました。主な原因は保育士不足です。

市は、待機児童の解消を目的のひとつに、9つの公立園の内4園を民営化する方針を出し、H22年4月から市立大宝保育園が民営化されました。ところが、現実は絵に描いたようには進まず、今年度も入園式からまだ3ヶ月しか経っていないというのに、すでに28人もの待機児童がいることが明らかになりました。

国や自治体は保育責任をどう果たしていくのか、公的保育の充実が求められています。


 栗東市内の待機児童数
  (7/1現在)
 ・0歳児 10名
 ・1歳児  8名
 ・2歳児  9名
 ・3歳児  1名
  合 計  28名



2013年度導入予定
国の『子ども・子育て新システム』
 待機児童解消や
 保育の充実につながるのか!

自治体の保育実施義務と
  保育の最低基準が廃止される

待機児童解消のためには、国と自治体の責任で認可保育園と保育士を増やすことが求められます。民主党政権は待機児童をなくす方策として、2013年度に『子ども・子育て・新システム(以下、新システム)』を導入しようとしています。

『新システム』の主な中身は、
@市町の保育の実施義務をなくす。
A入園定員の上限もなくす。
B園庭避難経路の設置などを定めた「保育の最低基準」も廃止する。
などとなっており、保育園の増設や保育士を増やす計画はありません。


保護者が自ら保育園さがし
 保育料は保育時間で同一金額に

C現在市が申し込みに応じて入園手続きを行なっていますが、『新システム』では、市は申込者が保育に欠ける状態かどうかを判断するだけです。保育にかける状態と判断された場合は「認定証明書(保育キップ)」が交付されます。

Dその「認定証明書(保育キップ)」を持って、保護者が保育園に入園を申し込み、直接契約することになります。市が全ての子どもが入園できたか否か把握する責任もなくなります。

E保育料の設定も、これまでの世帯の所得に応じた額ではなく、保育時間単位で設定されます。つまり、応能負担から応益負担に変わります。

『新システム』は、待機児童が解消される保障がない上、本当に保育が必要とする家庭が受けられなくなる可能性が出てくるとして、保育関係者からは『新システム』の導入に反対、公的保育の充実を求める声が上がっています。

国の責任で保育予算を充実し、保育園の整備や保育士の育成などに、もっと力を入れるべきではないでしょうか。ご意見・ご要望をお寄せ下さい。保育の充実に皆さんと一緒にがんばります。


















栗東民報 2011年7月10日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 大西とき子
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次