栗東民報

栗東民報 2011年5月29日号

違法埋め立ての徹底調査と
 速やかな有害物除去を

高濃度ガスが検出・元従業員が埋めたと証言
 『木くず焼却炉』付近の徹底した掘削調査を

RD処分場の有害物調査が進む中、有害物が入ったドラム缶の存在が明らかになり、掘削調査を求める声が強くなってきました。

県の調査によると、元従業員が数千本ものドラム缶を埋めたと言われる『木くず焼却炉』周辺から高濃度のガスが検出されています。その付近を掘削調査したところ、ドラム缶が見つかり、県は16個だけ除去しました。

掘った穴からは、まだたくさんのドラム缶が見えており、立ち会った住民が「見えているものだけでもすぐに掘り出してほしい」と言ったにもかかわらず、県は「まだ調査段階だから」と言って、さっさと土を被せてしまいました。

この『木くず焼却炉』付近を一刻も早く掘り広げ、地下水汚染の原因となっているドラム缶類や有害物を除去してほしいとの声が広がっています。






ドラム缶が見つかっても
県は積極的に除去しようとしない

H17年に県が行った掘削調査で、RD処分場の西市道側から、5個のドラム缶が発見されました。この時、県はその危険性や地下水への影響等を考慮し、ただちに掘り広げ、169個ものドラム缶類が掘削除去されました。

地下水汚染の広がりを、早くくい止めるためには、今回も同じような対応が求められます。ところが、県は「一刻も早く調査を終え、対策工を策定したい。その中で除去する」として、目の前にある有害物をすぐに除去しようとしません。

県のスケジュールでは、対策工事着工はH25年度以降となっており、それまでの間汚染物質が処分場から流出し続けることになります。

栗東市民の飲み水の約7割が地下水であり、少しでも早く汚染の広がりを止めてほしいと願う市民にとっては、全く納得できない対応と言わざるを得ません。




H17年12月RD処分場西市道側。
ダイオキシン・鉛・PCBなどの有害
物がたくさん詰まったドラム缶が堀
り出されました。         

『飲み水の会』が県議会に請願書

県の責任で速やかな有害物除去を

そういう中で、5月18日、『RD処分場の有害物から飲み水を守る会(以下、飲み水の会)』から県議会に「RD処分場の違法投棄に関する有害物調査の徹底と速やかな対処を求める請願書」が出されました。

この請願書は、ドラム缶の中身が地下水を汚染する有害物であるとして、調査中であっても有害物が見つかった場合は速やかに掘り出すことや、今回目視で確認されたドラム缶は埋め立ての一部にすぎず、徹底した調査により埋め立ての全貌を明らかにし、有害物を除去するよう求めています。

県は、特措法の延長を期待し、国の補助を得て、対策工事を実施するとしています。しかし、東日本大震災の発生で、国の財政はきびしさを増し、道路や学校関係などあらゆる予算が削減されており、特措法の延長も極めて難しい状況と言わざるを得ません。

22,000ppmの硫化水素発生から12年が経過し、この間の県の対応はどうだったのか、『飲み水の会』が求める速やかな有害物除去に向けてどう対応していくのか、処分場の許認可権限をもつ県の責任が大きく問われています。




手原農業用井戸の再調査

真っ黒でどろどろの水が出た

栗東市は、RD処分場からの地下水汚染の広がりを見るため、毎年一回下流域にある8箇所の井戸から地下水を汲み上げ、水質調査をしています。

昨年8月、処分場から約2km下流の手原農業用井戸から「開栓時、これまでにない油の混じった様な異臭とともに黒いどろっとしたものが出てきた」として、地元住民から不安の声が出ていました。

市は3月に再調査し、その結果「黒い物質の約78%が硫化鉄であった」と、5月11日の産業廃棄物最終処分場対策特別委員会で報告しました。しかし、なぜ突然硫化鉄が増えたのか、増えた原因が処分場と関係あるのかどうか等の点については、明らかにされていません。

さらに、過去に処分場から黒いどろっとしたものが発見され、県の調査でそれが揮発性有機化合物であることがわかりました。ドラム缶の内容物だと言われており、この揮発性有機化合物の有無を調べれば、処分場の有害物との関連もハッキリするのですが、この点いついても調べられていません。

 飲み水の安全をまもる責任は市にあります。市は地下水を汚染された被害者の立場で、県にその原因物除去を求めるとともに、
より正確な情報を市民に提供していくことが求められます。


















栗東民報 2011年5月29日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 市会議員 大西とき子
 農業委員 三浦平次