栗東民報

栗東民報 2011年5月15日号

高校生以下の短期保険証

いまだに栗東市にだけ存在する
無保険の子どもは8名(4世帯)




市長と懇談する草津栗東社会保障推進協議会のメンバー

「数日中に交付する」と市長が約束

生活困難などで親が国保税を払えないため、無保険状態になった子どもの存在が明らかになり、事態を重く見た厚労省は救済措置として、子どもには親の滞納等の責任を問うことなく短期保険証を交付するよう法改正(09年4月施行)を行いました。

以後、滋賀県内では無保険の子どもはゼロになりました。ところが、栗東市ではその改善が見られず、4月25日時点で、いまだに無保険状態の高校生以下の子どもが、18名(10世帯)も存在することが明らかになりました。

これまで保険証の交付を求め続けていた草津栗東社会保障推進協議会(以下、社保協)は、5月9日野村市長と懇談し、速やかに子どもの手元に保険証を届けるよう求めました。市長は「数日中に交付し、無保険の子どもは無くしていきたい」と答えました。社保協と日本共産党議員の粘り強い取り組みによって、ようやく『子どもの無保険』が解消されようとしています。


国は親の納税義務に関係なく
 子どもの保険証交付を

市は「税の公平性を考慮し、連休中に子どもの保険証を取りに来られない家庭を訪問し、生活実態の把握や納税相談を行った上での保険証交付に努めた。その結果、8名(4世帯)まで減らすことができた」と説明しました。

これに対し、社保協のメンバーは「子どもに納税義務はなく、税の公平性と子どもへの保険証交付は関係ないというのが、国の考え方である」として、残っている8名の保険証を、市役所に取りに来るまで留め置くのではなく、速やかに交付するよう求めました。

市長は、保険証の交付が遅れていることを認めながら、「一律に保険証を郵送するのではなく、納税できない実態を把握し、生活保護への適応も含めた対応をしていきたい」との考えを明らかにしました。



「窓口に取りに子来ない限り渡さない」から
 「訪問相談しながら交付する」に

国の通達等によれば生活保護と保険証交付の関連性はないものの、これまで『窓口に取りに来ない限り渡さない』の一点張りであった市の姿勢が、ずいぶん改善されたと感じました。

社保協のメンバーらは、生活相談につなげたいとする市長の姿勢を評価した上で、残っている保険証を一日も早く交付するよう求めました。市長は「数日中に訪問し、今週中には全て交付していきたい」と答えました。

 懇談の中で、保険証がないため修学旅行に行く際に保険証のコピーが取れずに心を痛めている子どもや病気になっても病院に行けない子どもがいることなど医療機関がつかんでいる無保険の実態に対し、今後どう対応していくのかなどの情報交換もでき、有意義な懇談となりました。




誰もが安心して医療が受けられる
 国民健康保険制度にするために
今回の無保険の子どもへの対応は評価できるものの、国民健康保険制度をめぐるきびしい状況は改善されていません。国の補助が半減された頃から全国的に国保税が大幅に上がり、栗東市でも5年前(H18)との比較で、約1.5倍にはね上がっています。経済不況も大きく影響し、国保税が払えない世帯が増加していることも見逃せません。

保険税を1年間滞納すれば保険証が取り上げられ、資格証明書が交付されます。この場合でも納税相談で分納などをすれば、短期保険証が交付されます。

栗東市における資格証明書は183世帯・短期保険証は711世帯と、他市比較でもかなり多い数です(4/1現在)。とくに資格証明書では医療費が10割負担となり、治療費が払えず、受診が遅れて重症化するケースが出ています。

安心して医療が受けられる国保制度にするためには、削減された国庫負担を元に戻すことが急務です。同時に無保険世帯を放置することのないよう、自治体の訪問相談などこまやかな対応が求められます。日本共産党は、国保制度の充実目指して、皆さんと一緒にがんばります

















栗東民報 2011年5月15日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 市会議員 大西とき子
 農業委員 三浦平次