栗東民報

栗東民報 2010年5月16日号

高すぎて払うに払えない国民健康保険税
  ――4年連続の値上げ――

4年連続の値上げで国保制度が崩壊の道へ

栗東市では、四年連続国保税の値上げで、平均60%の値上げとなりました。しかも、今後は毎年医療費に見合う国保税の改正(値上げ)をおこなうとしています。これが実行されれば、ますます滞納世帯が増加し、国保制度の破綻が懸念されます。

日本共産党は、3月議会で国保税値上げに反対するとともに、「国庫負担を見直し・増額を求める意見書」を提出しましたが、新政会(保守・自民系)や公明、市民ネットワーク(民主系)の反対で不採択となりました。



国庫支出金を元に戻させ
国の責任でひとり一万円の引き下げを

国民健康保険事業は、国民健康保険法に基づき、国と自治体の責任で、国民の命を守る「社会保障」制度です。1984年国保法改悪を皮切りに国の定率国庫負担の削減や財政措置の廃止、健保への負担強化が行われてきました。

下表は、栗東市の国保財政に占める国庫支出金と保険税の変化です。

国保会計に占める国庫支出金は、S58年51%からH20年には22%に半額以下にまで削減され、その穴埋めに国保税が2.5倍に引き上げられ、大幅な負担増となっています。

国が国庫支出金を元に戻せば、1兆2000億円の財源を生み出せます。1人あたり1万円の引き下げは、4000億円あればできます。



国の責任で国保税の引き下げを

1、削られた国庫負担をもとにもどし、国保税を引き下げること

1、緊急に一人あたり一万円の値下げを、国の財源でおこなうこと

1、保険証取り上げを義務づけた国保法をただちに改正すること



下表は、国保加入世帯の所得階層と所得階層別滞納比率です。内側が所得別構成比、外周が滞納比率です。

所得なしが全体の25%で、滞納世帯の33%がこの層です。また、所得なし〜300万円未満が全体の85%を占め、滞納世帯の89%を占めています。

国保税は、応能割(所得割)と応益割(人数と世帯割)で合算されています。応益割では、国保加入世帯あたり4万1050円と加入者一人あたり4万8800円が、所得に関係なく課税されています。

所得の額に応じて、応益割には減額措置が取られていますが、所得ゼロ世帯にも課税されることから、「払いたくても払えない」税金となっています。


下表は、国全体での国保加入世帯の平均所得(折れ線グラフ)と保険税(世帯あたりと一人あたり)の変化です。

平均所得は84年度179万2千円で、保険税は一人あたり3万9020円、世帯あたり10万3188円、所得最高となった91年度276万5千円で保険税は一人あたり6万5284円、世帯あたり14万8616円でした。

その後所得は減り続け2006年度は166万9千円ですが、保険税は一人あたり8万4367円、世帯あたり15万5664円と増え続けています。その結果、所得は12万5千円(93%)減少しているのに保険税はひとり45347円(2.16倍)世帯あたり1.5倍になっています。
(厚労省保険局資料から)


下表は、栗東市の4年連続引上げによる所得階層別保険税UP率と、H18年と22年の負担率の違いを示しています。この間高額所得者と低額所得者の負担率の格差是正が行われています。所得に関係なく加入者数や世帯にかかる税額が引き上げられてきたことが、低所得者層での滞納を増加させると原因となっています。










栗東民報 2010年5月16日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次