栗東民報

栗東民報 2008年10月19日号

RD産業廃棄物処分場問題
安心安全の対策のために 視察研修に行きました

県案の『全周囲遮水壁の囲い込み』は
将来にわたって有害廃棄物を残すだけ

10月7日、国松清太郎・太田ひろみ議員は三重県桑名市の産廃安定型処分場を視察しました。埋め立て量は、RD処分場の20分の1程度の小さな処分場です。


「国の指導により、埋められた有害廃棄物を掘削せず、地下水の浄化を5年間続けてきた。なかなかきれいにならないので、昨年度末に最も濃厚と思われる有害物を掘削除去したら、やっと浄化が進んだ」と話されました。

浄化が進んでも有害物は埋まったまま、5年間稼動してきた水処理施設は修理中、このまま浄化を続けても一般の基準に到達するまで30〜40年はかかる、この間の遮水壁の劣化は避けられない、掘削除去しない限り有害物が存在し続ける不安は消えない等々、課題は山積みのようです。



右から、現場で話を聞く国松清太郎・太田ひろみ議員

水処理施設での浄化は想定どおり進まない


当初は17本の井戸から地下水を汲み上げ浄化していました。H17年度に井戸4本を追加、それでもきれいにならないため、H19年度さらに3本追加されました。

その中の1本は、直径4mもの大口径井戸(通常20p)を掘削。その際に濃厚な有害物や廃油のドラム缶数本が撤去され、ようやく汚染の濃度が管理型処分場基準以下にまで低下してきたとのことでした。

やっぱり原因物を取り除かない限り、汚染はなくならないと実感しました。

高密電気探査でドラム缶は発見できない

滋賀県は、住民説明会において高密度電気探査で有害ドラム缶の埋まっている場所を調べるなどと説明しているようですが、三重県の担当者は「桑名処分場でも廃油の入っていたドラム缶があると予想して、高密度電気探査で調べたが、発見できなかった。

その後、井戸を掘削したとき数本出てきた。ドラム缶などの物体の有無は、掘削しない限りわからない」と説明されました。高密度電気探査で、RD処分場内の深さ20〜30mのところに埋めたとされるドラム缶が発見できるはずありません。

国の政治をあらため 有害物の掘削除去を

三重県は「水処理だけでは浄化が進まないので、汚染濃度の高い部分を掘削除去しようとしたが、『囲い込み・浄化対策でのモデルケースにしたい』という国の意図によって、出来なかった。

そこで、苦肉の策として、大口径の井戸を掘るという名目で、やっと国の了解が得られた」と話されました。

国の方針は「まず囲い込み等の遮蔽(しゃへい)(封じ込め)をする。それでも汚染が止まらないときに初めて撤去」となっており、こういう国の姿勢にも、問題があると言わざるを得ません。住民の暮らしや環境を守ることを最優先するべきです。

有害物がある限り 跡地は利用できない

桑名処分場は、水処理施設の浄化によって管理型処分場の基準値以下という当初目標は達成できた。しかし、一般の基準値まで到達するには、今から30〜40年の浄化が必要であり、水処理施設のランニングコストは年間約5000万円もかかるとのことでした。

こんな多額の経費をかけて、浄化したとしても、廃棄物は埋まったままであり、そのことに対する不安は解消されません。跡地をどうするのか質問したところ、「廃棄物がある限り、一般利用はできない。立ち入り禁止区域にするしかないと考えている」とのことでした。

やっぱり、有害物を取り除かない限り、真の安心安全はないと強く感じました。有害物の除去を目指して全力でがんばります。








栗東民報 2008年10月19日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次