栗東民報

栗東民報 2008年5月25日号

市長の住民犠牲の市政運営を改めよ

新幹線新駅どころではなかった借金財政
日本共産党は早くから指摘


栗東市は「企業誘致で財源確保をする」として大型開発を進め、1983年以来地方交付税不交付団体として豊かな財政を誇ってきました。しかし、長引く景気低迷と大企業減税で、近年法人市民税が落ち込んできています。

一方、H13年の市制施行で、生活保護費などの負担増と公債費(借金返済)が増大していました。また、H20年度決算から適用される「財政健全化法」で、114億円もの借金となっている新幹線駅前用地が影響し、その返済等で市財政を圧迫しているのが現状です。

市長は、新幹線新駅中止で「負の影響」「財政危機」とごまかし、言い訳をしています。
日本共産党は、新駅どころでない借金財政の実態を新駅事業計画当初から指摘するとともに、その中止を求めて市民とともに運動をしてきました。

薮から棒の「財政の危機的状況」に、あらためて新幹線新駅どころではなかったことが明らかになりました。まさに大型開発による自治体運営のもろさと基本姿勢が大きく問われています。

"藪から棒"
 市民だまし討ちは許せない

中学校給食の廃止、福祉医療費補助の削減
歴史民族博物館、芸文会館『さきら』、
図書館運営の見直し等々


市が発表した「財政再構築プログラム素案」は、住民とともに作り上げてきた市の単独事業は全廃し、周辺4市の最低水準にあわす施策見直しがされています。

さらに、市立保育園の民営化や児童館の統廃合、図書館の休日増等々市民サービス切捨てを計画しています。一方、大型開発や同和関連、土木事業の見直しがされていないなど、住民犠牲一辺倒で公正とはいえません。

栗東市は、財政破綻した夕張市と違って税収はあり、市民は十分負担しています。行財政運営の失政のつけを住民負担にすり替えることは絶対許せません。再構築プログラムは撤回すべきです。

日本共産党は、徹底した情報の公開を求めるとともに、住民参加での見直しに全力をつくします。住民犠牲の押し付けの国松市長には任せられません。市民の手で行財政運営の見直しを進めましょう。


財政再構築プログラム事業見直し(素案)抜粋
H20〜22年度に渡る111項目 26億円5400万円の影響

                                         千円
  項    目 H20年度 H21年度 H22年度
負担増 保育園の民営化・統廃合(大宝、大橋)   64,750  
保育料負担の適正化(H21:+15%、H22:+20%)   51,000 68,000
下水道使用料の見直し(+15%,消費税+5%)   90,000 180,000
ごみ処理券の有料化   50,000  
補助削減

施設の休廃止
敬老祝い金支給見直し 2,739 7,260 7,260
路線バス等回数券見直し、廃止 5,095 7,340 7,340
文化活動事業補助金の廃止 5,000 10,000 5,000
保幼小中芸術鑑賞の廃止 10,836 10,000 10,000
複数指導教員配置事業飲みなおし
35人学級対応臨時講師の廃止
16,018 37,185 37,185
コミセン機能見直し(諸証明発行事務の廃止)   26,067 26,067
福祉医療費補助の見直し
(乳幼児、心身障害者、母子、高齢者等)
  121,367 121,367
水稲病害虫防除事業の廃止等農業関連4項目   14,576 14,576
中学校給食の廃止   32,000 32,000
施設の廃止(児童館、農業学習センター等)
施設の休止(歴民、勤少ホーム出土文化財センター等)
施設の縮小(図書館)
  94,766 138,018
人件費削減(H21 0.5%、H22 0.8%) 62,293 163,000 253,000
議員報酬、政務調査費の縮減、費用弁償の廃止 7,820 7,820 7,820
  111項目 合計 208,112 1,001,581 1,434,863




父母・保育士の運動が
 民営化提案を止める!

日本共産党湖南地区議員団が 西宮市へ現地研修


兵庫県西宮市は、昨年7月保護者や関係者との協議もなく突然、公立保育園三園を民営化する計画を発表しました。
これに対して、父母や保育士さんが「大好きな保育園をなくさないで・・・」と運動を広げ、今年3月議会での公立保育園民営化の議案提案を断念させました。

馬場美代子・太田浩美栗東市議をはじめ西川仁県議など、日本共産党湖南地区議員団12名が、西宮市を訪問し関係者に実情を聞き視察研修しました。その報告をお届けします。



西宮市役所こども部子育て企画育成グループから話を聞く
湖南地区議員団
(左3人目馬場美代子議員・右手前太田浩美議員)

住民合意なしの民営化は絶対だめ!

西宮市では民営化だけを問題にするのではなく、公立も民間も共によりよい保育園にしていくことや、保育園に通っている子どもだけでなく全ての子ども達を地域で育てていくためには、子育て支援の充実が大切というスタンスで運動を広げられました。

民営化該当園だけでなく26公立保育園全体の保育士や関係保護者が中心になって、「民営化で保育はよくならない、一方的な民営化には反対。保育・子育て支援の予算を充実することを求める」という署名運動に取り組み、一気に7万筆を超える署名を集められました。また、今年3回目となる「保育所だいすきフェスタ」も開催されています。

公立保育所全園で、「米飯自園調理給食(おかずは実施済み)」「産休明け保育」「延長保育」を実現させてきました。同時に、一・二歳児の職員配置基準を私立6人に1人を公立並みの5人に1人に合わせて「より良い保育を」の署名運動も広がっています。こういう市民声や運動をバックに、日本共産党議員団が市議会で民営化計画の矛盾と問題点を指摘するなど大奮闘。

今年の3月議会で上程されるはずの民営化提案は、「保護者との十分な協議が行われておらず、条例提案は見送る」と市長が表明され、“民営化計画”をストップさせています。

全国的な状況では、横浜市の保育園民営化に係る裁判で、横浜地裁は「保護者の同意の得られない民営化は、行政の裁量権を濫用したもので、違法である」と断じ、市に損害賠償を命じています。

今回の西宮市での研修で、保護者や保育関係者、市民の意見を十分聞き話し合い、理解を得ることの大切さを学びました。

栗東市でも、公立保育園10園のうち5園を住民関係者への説明もなく、民営化すれば保育士不足や施設の老朽化などの課題が解決し「よいことづくめ?」の資料提供で民営化しようとしていますが、大問題です。
日本共産党議員団は、皆さんと一緒によりよい保育・子育て支援の充実を目指し、がんばります。皆さん、力を合わせましょう。



市立浜脇保育所の手作りお昼ご飯 おいしそうに食べる園児たち






栗東民報 2008年5月25日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次