栗東民報

栗東民報 2008年2月24日号

住民サービス切捨て予算に道理なし

財政危機の原因究明と
 住民参加の計画的な財政再建が必要

17日に開かれた議会全員協議会で、市長の施政方針、教育長の教育基本方針ならびに新年度予算の骨子が発表されました。

08年度当初予算は、07年度と比較して19.9%の減。一般会計では、新幹線新駅中止にともなう46億円をはじめ、庁舎耐震工事、同報系防災無線工事、大宝小学校の大規模改修・西中学校の増築完了等が主な減額です。

その一方で、08年度決算から本格実施となる「財政健全化法」によって、一般会計・特別会計とともに土地開発公社などが連結決算となります。

栗東市は、4つの指標のうち「将来負担比率」がイエローカードとなり、財政健全化計画の提出が義務付けられます。その対応として、土地開発公社に6億円(利息と道路等で使用済みの土地買戻し分)を予算化しています

市民サービス切捨て 住み良さ日本一は幻


新年度市民サービスの見直しの主なものは、幼・保・小・中学校の芸術鑑賞補助1000万円の中止をはじめ、07年やっと復活した70歳の敬老祝い品を5000円から3000円に減額、節目祝金も各5000円を減額。

高齢者鍼・灸マッサージ補助の廃止。路線バス補助回数減。太陽光発電補助廃止、等々。その影響は13項目3280万円の減額内容が示されました。

なお、滋賀県の財政構造改革プログラムで、福祉医療費関連をはじめ34項目、2600万円の影響がでそうですが、その対応については明らかにしていません。

事業内容 金額(万円) 備 考
幼保小中学校芸術鑑賞の中止 1,000  
敬老祝い金の減額 274 70歳:3,000円
77歳:5,000円
88歳:10,000円
99歳:15,000円
100歳以上:20,000円
高齢者針灸マッサージ補助の廃止 38  
路線バス回数券の減額 510 1/2に削減
庁内・駅公衆ファックスの廃止  
リフト付きタクシーの廃止 60  
ひとり親家庭就学資金援助の削減 21 大学入学を廃止
火葬奨励補助の減額 506 3万円→1万円
太陽光発電補助の廃止 500  
成人式記念品廃止 23  
視聴覚ライブラリーの中止 14  
各種団体運営補助の金削減 295 原則として1割減
合計金額 32,799  


新駅中止の住民負担押し付けはお門違い


新幹線新駅中止が財政危機の原因であるかのような攻撃のもとで、住民福祉切捨てと職員の人件費削減で乗り切ろうとしています。

新幹線新駅中止は、県民・市民の声であり、これを無視してまで進めた市長と議会に責任があります。また、今日までの開発優先型の財政運営を根本的に見直すとともに、財政危機の原因を明らかにして、計画的な財政再建に取り組まなければなりません。

そのためにも、住民に徹底した情報公開と説明責任を果たし、理解を求めることが重要ではないでしょうか。新幹線新駅中止を利用した一方的な福祉切り捨て行政は絶対許せません。


一般会計 217億2600万円
特別会計 128億7700万円
合 計  346億 300万円
  金額(百万円) 対前年度当初比 主な増減の理由と支出内容
一般会計 21,726 −19.9  
特別会計 12,877 −14.9  
 土地取得 240 +111.5 総合保健センター用地の償還
 国民健康保険 4、683 +4.0  
 老人医療保健 386 −86.8 後期高齢者医療へ移行
 介護保険 1、898 +0.1  
 墓地公園 +0.4  
 栗東駅前区画整理 102 −1.8 起債償還が中心
 新都心区画整理 164 −69.1 現地復旧、計画変更関連
 水道事業 1、894 −1.4  
 下水道事業 3、100 +0.2 金勝、蜂谷地域
 農村集落排水 35 −5.3  
 後期高齢者医療 370 皆増 保険料、基盤安定繰り入れ
合 計 34、603 −18.1   






栗東民報 2008年2月24日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次