栗東民報

栗東民報 2008年1月号外

RD産廃処分場問題

飲み水・環境守る安全対策は
有害物の全量撤去










自動車用バッテリー、消火器、産業用ボンベ、塗料の入った缶など 見つかった物のほんの一部


有害物・違法物の埋め立て実態を明らかにし
将来にわたって地下水やびわ湖を守る安全対策を

住民運動におされて処分場内の掘削調査が始まりました。ところが、たった2日で中断を余儀なくされました。この間ほんのわずか掘っただけで、自動車用バッテリー数個、消火器、ドラム缶6〜7個、産業用のボンベ、コンデンサなどが掘り出されています。これらは全て有害違法物です。

また、処分場内の地下水からは環境基準21倍のダイオキシンや15倍の鉛などの有害物質が、処分場300m下流の地下水からも高濃度の水銀が検出されています。

処分場内に埋められたままの有害物が、地下水汚染の原因であることは明らかです。これらを一刻も早く掘り出すことこそ、将来にわたって地下水やびわ湖などの環境を守り、安心して暮らせる安全対策です。

『遮水壁』による囲い込みは、汚染物質のたれ流し

RD問題の解決にあたり、処分場を深さ40mのソイルセメントと言われる遮水壁で囲い込み、有害物を封じ込めてしまおうという案や囲い込んだ後に埋立て物を全量撤去しようという案などが出されています。処分場全周を遮水壁で囲い込むための費用は30〜40億円です。

ソイルセメントは、現場の土とセメントを混ぜ込んで、ドリルで穴を開けるように地下40mまで流し込んで連続的に作る壁のことです。RD処分場の土壌には廃棄物や有害物がたくさん含まれているため、ゴミの混じった壁となる可能性が高く、その遮水性には、かなり問題があると言わざるを得ません

RDの有害物汚染は『遮水壁』で解決しない

専門家によると、ソイルセメントの耐用年数は通常20年以下であり、RD処分場の場合は有害物の影響で、劣化が早まると予想される。ましてや、地下40mの壁のどこから漏れているのか、見つけ出して修復することなど、現実的には困難を極めるとのことです。

どんな丈夫な遮水壁を作ったとしても、ゆっくり水を通します。月日の経過で、だんだん劣化し、ヒビも入ります。完璧な遮水などありえません。遮水壁での囲い込みは、将来にわたって汚染物を残すことにしかならないのです


『遮水壁』でなく
ドラム缶などの有害物の全量撤去で
安心して住み続けられる栗東を
全国の産廃問題の状況を見ると、ほとんどが「遮水壁」だけで終わっており、年月が経つにしたがって、それさえも放置されているのが実態です。なぜなら、遮水壁を作った後の水処理や修繕などのメンテナンスにかなりの費用を必要とするからです。

滋賀県も栗東市もそろって「お金がない」の大合唱をしている中で、遮水性も不確かなソイルセメントの壁に40億円もの税金を使い、その後に県の試算で400億円もかかる埋立て物の全量撤去が果たして出来るのでしょうか。

まず、処分場全体を掘削し、直接地下水を汚染している有害物入りのドラム缶や汚染土壌などを全て撤去することが、汚染防止への近道ではないでしょうか。

これならもっと安い費用で実現できます。有害物の全量撤去こそ飲み水や環境を守る安全対策であり、日本共産党は一日も早い解決と将来にわたって安心して暮らせる栗東市目指して皆さんと一緒にがんばります。ご意見お寄せください。




2005年撮影。RD処分場西市道側。ダイオキシン、鉛、PCBなどの有害物がたくさん詰まったドラム缶が掘り出されました。処分場内には、まだ何千本とも言われる有害物入りドラム缶が埋められています









栗東民報 2008年1月号外
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次