栗東民報

栗東民報 2007年3月11日号

いのちのパスポート
国民健康保険税の値上げは許せない!

所得ゼロ世帯に配慮と言うけれど
所得に関係のない「応益割」こそ、国保税の欠陥

3月議会に国民健康保険税と40〜65才までの介護保険料の値上げ案が提案されました。
国保税・介護保険料(40〜65才)は所得と資産に対して課税される応能割と、加入世帯とその世帯の人数に対して課税される応益割の合計で課税されています。

栗東市の国保税収入の割合は、
応能割(所得・資産):応益割(世帯・人数)=59:41
ですが、国は
応能割:応益割=50:50になるよう指導を強めています。

今回の値上げ案では、所得ゼロ世帯は減額になりますが、それ以外はすべて15%前後の負担増になります。
所得に応じて応益負担部分の7割、5割の法定減免と2割の申請減免に変更されますが、所得がなくてもかかる応益割そのものが国保税の欠陥です。経済弱者に重い負担となり、保険税の滞納比率も高くなっています。

国民健康保険制度は、憲法25条に示された生存権を具体化するための医療社会保障制度です。
日本共産党は、今でも高すぎて払えない国民健康保険税の引き上げは許せません。

値上げ案
・所得割 5.60% → 6.75%
・資産割 30.0% → 20.0%
・均等割 21,000円 → 28,000円
  (1人あたり)
・世帯割 23,000円 → 26,000円
  (1世帯あたり)
(下記のモデルケースを参照してください)

<ケース1>
 所得500万円、固定資産税151,095円、
 加入者数3人


現  行 値上げ案


所得割 円 261,520 315,225
資産割 円 45,329 30,219


均等割 円 63,300 84,000
平等割 円 23,000 26,000
国保税合計 円 393,149 455,444
介護保険料 円
(40〜65歳)
81,693 90,000

<ケース2>
 所得300万円、固定資産税93,034円、
 加入者数3人


現  行 値上げ案


所得割 円 149,520 180,225
資産割 円 27,910 18,607


均等割 円 63,300 84,000
平等割 円 23,000 26,000
国保税合計 円 263,700 308,832
介護保険料 円
(40〜65歳)
57,054 75,311

<ケース3>
 所得170万円、固定資産税65,000円、
 加入者数4人(4割軽減)


現  行 値上げ案


所得割 円 76,720 92,475
資産割 円 27,910 13,000


均等割 円 84,400 89,600
平等割 円 23,000 20,800
国保税合計 円 263,700 215,875
介護保険料 円
(40〜65歳)
57,054 75,311

<ケース4>
 所得60万円、固定資産税60,197円、
 加入者数2人4割軽減(5割軽減)


現  行 値上げ案


所得割 円 13,440 16,200
資産割 円 18,059 12,039


均等割 円 25,320 28,000
平等割 円 11,800 13,000
国保税合計 円 70,619 69,239
介護保険料 円
(40〜65歳)
19,762 18,875

<ケース5>
 所得0円、固定資産税0円、
 加入者数2人6割軽減(7割軽減)


現  行 値上げ案


所得割 円
資産割 円


均等割 円 16,880 16,800
平等割 円 9,200 7,800
国保税合計 円 26,080 24,600
介護保険料 円
(40〜65歳)
9,360 7,530

子育て世帯の国民健康保険の取り上げは
直ちに中止を

栗東市は国民健康保険税を滞納した場合、国民健康保険証を取り上げ、「資格証明書」を発行しています。

資格証明書は、受診の際、医療費の全額を支払はなければなりません。過去3年間で、国保証取り上げによる受診遅れ重症化が全国で930件、死亡が25人にも上っています。(民医連調べ)

栗東市は保険税滞納世帯の34%に資格証明書を発行していますが、県下ワースト1になっています。
大津市では子育て世帯の保険証取り上げはしないなどの配慮をして、滞納世帯の0.3%、27世帯に減らしています。

最近労働法制の規制緩和で、派遣・委託・契約・請負など被用者保険(医療保険)すらなくて、自分で国保加入しなければならない労働者が増加しています。子育て世帯や若者の命を守るためにも、資格証明書の発行は中止すべきです。

日本共産党が緊急提言

1、生活困窮者から国保証取り上げを中止する

2、国が責任を果たし、支払い能力に見合った国保料(税)に引き下げる

3、市町村の一般財源の繰り入れの増額、都道府県の財政支援
  国保料(税)軽減、減免制度拡充に向けた自治体の独自努力を

4、使用者の違法行為をただし、資格と権利のある労働者はすべて被用者保険へ


新幹線差し止め判決
最高裁への上告はしないこと
3月7日原告団が市長に申し入れ



起債行為差止め請求事件の判決に関する申し入書

 去る3月1日大阪高等裁判所は、大津地方裁判所の1審判決を支持し、明確に「起債は地方財政法に違反する」として市側の控訴を棄却した。これらの判決に対して、下記の内容を申し入れるので、速やかに対処されたい。
 1、1審、2審の判決を真摯に受止め、上告しないこと
 2、JR東海への今後の支払いを直ちに停止すること





栗東民報 2007年3月11日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次