栗東民報

栗東民報 2007年3月4日号

国民健康保険税の値上げ(案)が
明らかに  
・・・命が守れない

国民健康保険は、自営業者や退職者などが加入する医療保険制度で、保険税と国・県の負担金や市の繰入金、交付金等を主な収入にして自治体が運営しています。

国民皆保険制度の下で「いのちのパスポート」とも呼ばれ、社会保障の重要な柱です。
3月市議会に国民健康保険税の改正(値上げ)が提案されています(表1)。

栗東市の国保税と県内12市の比較(表1)
応 能 割 応 益 割
所得割 資産割 均等割
(1人につき)
平等割
(1世帯につき)
栗東市 現行 5.6% 30% 21,100円 23,000円
改正後 6.75% 20% 28,000円 26,000円
大津市 H18
 年度
8.80% 0 30,600円 23,100円
彦根市 7.85% 0 28,200円 21,600円
長浜市
 旧長浜市・
 びわ町
3.20% 20% 22,800円 22,800円
長浜市
 旧浅井町
5.20% 27% 23,400円 20,200円
近江八幡市 10.36% 0 29,300円 24,100円
東近江市 8.00% 0 30,000円 27,000円
草津市 8.60% 0 33,000円 27,000円
守山市 7.00% 9% 27,700円 24,000円
野洲市 6.10% 18% 27,000円 22,200円
湖南市 6.00% 20% 23,800円 25,000円
甲賀市 6.90% 19% 25,500円 22,000円
高島市 6.40% 27% 25,900 23,000

低所得者ほど重い負担の値上げは撤回を
国保証の取り上げ(資格証)では命は守れない!


栗東市の国保税の応能・応益の割合は59%対41%ですが、国はこれを各50%になるよう指導しています。

所得に関係なく課税する世帯(平等)と人数にかかる(均等)値上げは、所得の低い人ほど重い負担となります。

また、所得にかかる税も税率が一定の場合低い人ほど負担感は強く、最高限度額が53万円に設定されており、高額所得者が優遇されています。
栗東市の国保税滞納世帯所得の状況 06年度(表2)
所得 世帯数 滞納世帯数 滞納比率(%)
所得なし 1988 340 17.1
33万円以下 510 81 15.9
33〜60 430 61 14,2
60〜100万円 686 85 12.4
100〜200 2236 217 9.7
200〜300 1191 131 11.0
300〜500 872 99 11.4
500から 763 57 7.5
合計 8676 1071 12.3

低所得者には法律で定められた保険税の減額制度がありますが、H17年度決算でも、国保税の滞納状況は、所得なしの世帯で17.1%と一番高く、100万円までの世帯で60%を占めています(表2)。

保険税を滞納すれば保険証を渡さず医療費の全額負担となる「資格証明書」を発行していますが、栗東市は県下でもダントツの多さです(表3)


滞納比率と資格証明書発行率 06年度(表3)
滞納世帯数 滞納比率% 資格証明書数 資格証比率%
栗東市 1071 12.2 371 34.6
大津市 8923 15.9 27 0.3
草津市 4413 25.2 166 3.7
守山市 1229 11.8 81 6.5
野洲市 1017 13.7 283 27.8
甲賀市 2119 13.7 152 7.1
湖南市 1715 20.1 81 7.7
県は、悪質な滞納以外は国保証を交付すべきと指導しています。また大津市などでは、子どものいる世帯には配慮しています。
栗東市国保加入者が特別滞納比率が高いわけではありません。

資格証発行比率が異常に高いのは、国民健康保健制度が社会保障として果たす大事さ見えないからではないでしょうか。

来年4月から75歳以上の高齢者の医療保険を別枠にする制度改悪(広域後期医療保険)も進められています。
日本共産党は、命を守る社会保障としての国保制度の充実にがんばります。
(介護保険税の改正については次回お知らせします)





栗東民報 2007年3月4日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次