栗東民報

栗東民報 2006年11月5日号

栗東市臨時議会 〜深夜の激論

新幹線新駅問題
「駅舎負担金の支払い差し控え決議」を可決


10月30日(月)臨時市議会が開催されました。補欠選挙で当選された林好男議員の議席指定や委員会所属を承認、また補選に伴う補正予算を可決しました。

その後、JR東海への負担金支払い問題について、市民ネット・國松篤議員と日本共産党・ばば美代子議員が緊急質問しました。この答弁に問題ありとして、「駅舎負担金の支払い差し控え決議(案)」を提出するとの動議が出され、賛成多数で成立しました。

「駅舎負担金の支払い差し控え決議(案)」について、新政栗東と公明栗東の推進派議員8名全員が質問されました。激しい質疑討論の後、賛成多数(賛成10、反対9)で決議を可決しました。

この日の市議会は深夜におよび、歴史に残る臨時議会となりました。日本共産党議員団は、知事選挙や市長選挙に示された市民の声を力に、新駅中止・くらし優先の市政実現に全力を尽くします

「新幹線(仮称)南びわ湖駅工事費負担金
栗東市分支払いの差し控え」に関する決議


嘉田知事が新駅の10月分負担金支払いについて留保したいとの意向を示し、9月25日、大津地裁で新駅仮路線設置費用43億円について「市債を充てるのは違法」とする判決が出ました。

また、10月22日執行された栗東市長選挙では、推進の国松市長の得票は12,082票(得票率41%)であり、一方、凍結・中止の合計得票は17,054票(得票率59%)に民意は示されています。

これらの事実を踏まえるにあたり、栗東市分の「新幹線(仮称)南びわ湖駅」工事負担金の、投資効果及び財源問題等の説明責任を果たし、市民の理解と賛同が得られるまで、予算執行の差し控えを決議する。


日本共産党議員団 
馬場美代子議員団長の賛成討論(要旨)


1、知事選挙につづく市長選挙で、凍結・中止の声が一層広がった こと。(知事選挙の推進と中止・凍結の得票差365票が市長選挙 では4965票と広がり、推進の得票率は49%から41%と8ポイント下げている)

2、凍結・中止の影響について
  177億円(150億円の損)が無駄になるといわれているが、 問題ありとしても土地112億円(5ha)は残っており、疑惑の徹 底解明する中で活用し、駅に頼らない新しいまちづくりに活かす ことができる。
  「仮換地指定後の区画整理事業中止の実例なし、国や県の補助 金の返還が請求される」などと市は説明しているが、新潟県小千 谷市で、補助金返還なしで中止している実例がある。日本共産党 議員団は実際に視察研修し、確認している。
  市はJR東海からの損害賠償請求があると不安をあおっている が、最高裁判例でも、地方自治体の場合選挙によって施策が変わ ることはあり、民意が優先し損害賠償請求はできない。(沖縄県 宜野座村の実例あり)

3、県が発表した需要予測および経済波及効果の再検証の結果、経 済波及効果・税収効果ともに約半減であり、10年で返済可能と する財政計画そのものが破綻した。

4、43億円の「起債差止め判決」は、地方自治体の公共事業のあ り方の根幹が問われたものである。大阪高裁に控訴したとはいえ 、それまでは大津地裁の判決が有効であり、市債は発行すべきで ない。財源見通しが立たない。

5、H17年度末、市の借金は市債・債務保証・債務負担合計で1 023億円に上り、さらに新幹線事業で300億円を超える借金 をすれば財政破綻は必至である。

栗東市は、市民の声を聞かず強引に進めてきた責任こそ問われるものであり、反省すべきである。選挙結果に示された市民の声を真摯に受け止めるというのなら、市民の理解と賛同が得られるまで、予算執行を差し控えるべきであり、決議を採択されるよう強く求め、賛成の討論とします。




栗東民報 2006年11月5日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろみ
 農業委員 三浦平次