栗東民報

栗東民報 2006年2月12日号

JR東海に寄付のための起債(借金)は
地方財政法違反


栗東市は53億円の起債行為をしてはならない
 栗東市民8名が大津地裁に提訴

新幹線(仮称)びわこ栗東駅の建設をめぐって、栗東市では「税金のムダ使いは許さない」「JRが負担しないのはおかしい」という多くの市民の声が高まり、凍結署名や住民投票署名、昨年6月議会では100億円の支出中止を求める請願署名運動がおこなわれてきました。

また、10月17日、「新幹線新駅に支出予定である53億円の起債行為の指し止め」の監査請求をおこないました。

議会はことごとく市民の声を踏みにじり、監査委員会も12月15日、監査請求を棄却しました。

誤りは正さなければなりません。1月13日、栗東市民8名は、大津地裁に「53億円の起債行為をしてはならない」として裁判に訴えました。


地方財政法で認められる起債は

地方財政法第5条で、地方債の財源に充てることができる事業(適債事業)を、@交通事業・ガス事業、水道事業その他地方公共団体がおこなう企業に要する経費A出資金及び貸付金の財源、B地方債の借換え、C災害応急事業費、災害復旧及び災害救援事業費、D学校その他文教施設、保育所その他厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他土木施設の5項目に限定している。

新駅建設予定地がコンクリート高架であればその開口部分で工事がおこなえるが、栗東新駅の場合、盛り土となっていることから、時速270qの速度を落とさず工事をするためには1950bの仮線を作らなければならない。

そのために240億円と全国一高額な駅建設費となっている。しかも、この仮線の内600bは駅完成後には下り2番線としてJR東海が利用することとなっている。

そこで市は、仮線工事に伴う栗東市負担分83億円のうち53億円を都市計画道路・栗東駅前線の拡幅道路事業として起債を受けようとするものである。

しかし、びわこ線栗東駅から新幹線新駅までを30bに拡幅するのは、将来の市町合併後の検討課題とされているものであり、現道路建設のための仮線は必要ない。

仮線は、JR東海の資産となり栗東市の公共施設として残るものでないことからその工事費の財源として起債は認められない。仮線建設事業は適債事業ではなく、起債は違法である。


JR東海は完全民営会社

地方財政法第5条5項では、公共施設の建設事業とは、公共的団体または、国もしくは、地方公共団体が出資している法人で、政令で定めるものが設置する公共施設の建設事業にかかる負担または助成に要する経費を含むとしている。

新駅は、建設主体であるJR東海が建設し、県や栗東市及び周辺市がその建設費を全額負担するものであることから、公共事業に当たらず、かつ、JR東海は完全民営会社であって、政令(地方財政法施行令1条)でさだめる団体または法人に該当しないから、その建設事業の負担または助成に要する費用は、同法第5条5項の適債事業ではない。


ちょっとうれしい話
大宝西幼稚園 H18年度で増築の見込み

かねてから問題になっていた大宝西幼稚園の保育室不足。H18年度中に保育室の2部屋増築とトイレ改修をおこなうことが明らかになりました。

昨年末、増築を求める署名運動に取り組んだお母さんなどから大変喜ばれています。しかし、H18年度3歳児が大宝と大宝西幼稚園に別れて保育するなど問題は残されています。

栗東市は、小学校区単位に保育園・幼稚園・学童保育・公民館・児童館を設置し、地域での子育てに力を入れてきました。

福祉・教育を後退させないよう力を合わせましょう。


注目される3月予算議会2日から始まります

請願書は22日(水)午前中までに
3月2日(木)3月議会開会
  8日(水)代表質問
  9日(木)代表質問・一般質問
  10日(金)一般質問
  13日(月)一般質問
  15日(水)常任委員会
  16日(木)常任委員会
  17日(金)常任委員会
  20日(月)常任委員会
  23日(木)3月議会閉会

栗東民報 2006年2月12日号
日本共産党栗東市委員会発行

 市会議員 ばば美代子
 市会議員 国松清太郎
 市会議員 太田ひろ美
 農業委員 三浦平次