議員団ニュース

2014年6月議会報告


市民には福祉削減・負担増を押し付けるいっぽうで

確実に『億円単位』で増える基金


H22年度から3年間で増えた基金は16億円!

市は危機的状況の財政を健全化するとして、『財プロ』や『新・集中改革プラン』を策定し、保育園・幼稚園の保育料や水道料金の値上げ、福祉医療費助成の削減、中学校給食の廃止など、さまざまな福祉・教育施策が削減されてきました。

市民から「いつまで我慢させるのか」「消費税率は上がり、年金は下がるし、大変です。福祉にもっと力をいれてほしい」等の声が寄せられています。

市は市民要望に背を向けながら、基金(貯金)を16億6000万円も増やしてきたことが、太田議員の個人質問等で明らかになりました(下表参照)。

 











 年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度
 財政調整基金 6000万円   3億4000万円 8億7000万円 10億円
 減債基金 6000万円  2億1000万円 3億3000万円 7億8000万円
 合計  1億2000万円  5億5000万円 12億円 17億8000万円
 増減
(前年度比)
 ―――― +4億3000万円 +6億5000万円 +5億8000万円

       *基金とは家庭でいう「貯金」のこと

財政健全化の傾向

基金も毎年億円単位で増える中、H25年度末は4億数千万円の黒字決算となる見込みです。財政健全化の傾向が見受けられます。



子どもの医療費助成制度

中学校卒業まで 無料が世間並

福祉水準を他市並みにするとして、多大な負担増が押し付けられてきました。しかし、子どもの医療費助成の水準は、県内で本市だけが0歳児から有料です。いまや中学校卒業まで無料が世並みとなる中、他市と比べて著しく低い水準になっています。

就学前の医療費無料化のために必要な財源は年間4000〜5000万円です。実施できる力は十分あるとして、就学前の医療費を無料化するよう求めました。

しかし、市は「基金は不測の事態に充てる財源として必要である」との答弁を繰り返すだけでした。

就学前の医療費助成の拡充は、野村市長の選挙公約です。ただちに改善するべきです。


 









   


市民への福祉拡充は先送りしながら

企業への補助金は16億円も!

市は蜂屋地先に誘致した潟潟`ウムエナジージャパンに、市はH22〜H34年度(13年間)にかけて、16億1000万円もの補助金を交付すると説明しています。

H25年度までに交付した額は5億8000万円で、さらに今年度以降10億3000万円を交付するとしています。


税金の使い方を見直せば 福祉は充実できる

暮らし本位の市政運営を

「市民福祉を削って積み増しした基金であるにもかかわらず、福祉のために使おうとしない。その一方で、企業には惜しみなく多額の補助金を交付する。こういう税金の使い方は、福祉の増進を最大の目的とする自治体として間違っている」と指摘し、日本共産党議員団は開発や企業優先型になっている財政運営を、市民の暮らし本位に転換するよう求めました。




議案・請願書に対する態度


 会 派 名 共産党 市民ネット 再生 新政会 公明 
 議員名
 
  ○・賛成
  ●・反対
  退・退席
大西時子 太田浩美 中村昌司 林 好男 田村隆光 国松 篤 櫻井浩司 藤田啓仁 山本 章 片岡勝哉 上田忠博 林 史代 三浦 悟 寺田範雄 北川健二 小竹庸介 高野正勝
憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に反対する意見書
退 議 長 
手話言語法制定を求める意見書の提出を求める請願書
ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する請願書
国民健康保険税の限度額を引き上げる条例改正
(栗東市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について)
軽自動車税の税率引き上げる条例改正
(栗東市税条例の一部を改正する条例の制定について)




「憲法解釈の変更による集団的自衛権の
  行使容認に反対する意見書」

新政会(保守・自民党系会派)・公明栗東の反対で『否決』!

6月議会開会中は、集団的自衛権の行使容認についての憲法解釈を変更しようとする安倍政権の動きを、危険視する声が急速に広がっていました。

6月21日時点で集団的自衛権の行使容認に反対する意見書や決議を可決した市町村議会は102にのぼっていました。

日本共産党議員団は、26日の最終日「憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に反対する意見書(案)」を提案しました。しかし、残念なことに新政会(保守・自民党系会派)と公明栗東(公明党)の反対で否決となりました。


歴代政府の解釈は
「国際関係における武力行使は広く禁ずる」

歴代政府は、憲法第9条のもとに許されている自衛隊の武力行使は「我が国自身が外部から武力攻撃を受けた場合における必要最小限の実力の行使」だけであり、それ以外の武力行使は「いわゆる侵略戦争に限らず、国際関係において武力を用いることを広く禁ずる」としてきました

。これまで、自衛隊は海外でひとりの戦死者を出さず、他国民に武力を行使することもありませんでした。

新政会「必要最小限度の範囲で容認すべき」
公明栗東「従来の解釈が妥当。その範囲内で何ができるか」

反対討論で、新政会は「必要最小限度の範囲で容認すべきである。安全保障の環境の変化によって、解釈が変更されるのは当然である」と述べました。

公明栗東からは「従来の解釈が妥当と考える」と述べながら、「従来の解釈で何ができるか、幅広い国民的同意を得て決めるべき」とする旨の反対討論がありました。
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 政府の動きにSTOPをかけることも
  地方議会の重要な役割
集団的自衛権の行使容認は、日本を「戦争できる国」につくり変える重大な問題です。不安視する国民が少なくない中での強行は許されません。こういう政府の動きに市民の声を届け、“STOP”をかけるのも地方議会の重要な役割です。

日本共産党は、安倍政権の暴走政治にSTOPをかけ、常に生活者の目線で暮らし守れとがんばります。

 




6月議会  個人質問

大西時子 議員
教育委員会制度が
改悪されることについて


問 新しい制度では、教育委員長と教育長を一体化した新教育長を、議会の同意を得た上で、市長が直接教育長を任命・罷免することになる。教育委員会の独立性はそこなわれるのではないか。

答 新教育長の任命・罷免には議会の同意が必要であり、職務権限も従来どおりであることから、独立した権限を発揮できなくなるものではない。

問 政治的な考えの教育への介入や教育委員会が教育の自由・自主性をまもることができなくなることが懸念される。教育の中立性の確保についての見解は。

答 学校の基本的な運営や教員の人事に関し、政治的な中立が保たれるなど、教育の実勢が守られると考える。


[農業改革に関する意見書」の農政改革について

問 農業委員の公選制の廃止や企業の農地所有では、農地や地域農業を守れないだけでなく、地域農業の荒廃を広げかねないのではないか。

答 今後の議論や国の動向を注視していく。「人・農地プラン」を集落ごとに策定し、担い手の確保や荒廃農地を減らす。安心安全の栗東産農産物を市民に提供し地域農業の発展を図る。








 太田浩美 議員
子ども子育て新制度と
保育の充実について


問 来年4月から就学前の保育・教育に関わる制度が大きく変わる。保育士不足による待機児童の解消・保育環境の向上など保護者や保育関係者の意見が反映された条例や事業計画の策定が求められる。

答 国基準を検討し、円滑に新制度に移行できるよう取り組む。待機児童対策を含め保育環境の整備に努める。

問 保育の安定化のためには正規保育士を増やし、約65%を臨時保育士に依存する保育体制を改善されたい。

答 正規職員での体制が望ましいと考えるが、現在市職員の削減を実施する中、幼稚園・保育園の職員は一定数確保している。


子どもの医療費助成制度の拡充を

問 4月から入院費が中学校卒業まで無料化されたが、いったん窓口で全額立て替えて支払った後、再度市役所で払い戻しの手続きをしなければならない。保護者から「うれしいが、手続きが複雑で使いにくい」との声がある。また「よくかかる通院費を無料にしてほしい」との声が高い。せめて就学前だけでも、他市と同様に自己負担なし・窓口負担なしの制度にされたい。

答 財政状況等を十分に考慮して、慎重に検討していくべき課題と考える。












同和事業の廃止を

周辺5市(草津・守山・野洲・湖南・甲賀)では、同和事業の個人施策はH27年度末をもって全て廃止されます。しかし、栗東市だけが存続となっています。

市民福祉を大幅に削減しながら、同和事業の温存は認められないとして、他市同様に廃止するよう求めました。市は一般施策への移行も示しながら、現時点では限定的な施策は必要と答えました。

たばこ業者への貸付金回収に もっと積極的な対応を

たばこ業者に貸した9億円の返済期限が切れ、裁判で『認諾』したにもかかわらず、一向に返済されていません。

市は、具体的な返済計画の提示を求め、協議を継続していると答えました。貸したお金はすべて税金です。財政難だと言って市民に多大な負担増を求めておきながら、回収できない事態は許されません。全額回収に向けもっと積極的に取り組むべきです。




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2014年6月議会報告
発行 日本共産党市会議員団

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