議員団ニュース

2012年12月議会報告



新政会・公明栗東・市民ネットワークの反対で

   

通院・入院が中学校卒業まで無料の自治体がある中で
せめて就学前だけでも無料化を

『新・集中改革プラン』により、H21年10月から就学前までの医療費に自己負担が導入され、県内で唯一就学前までの医療費が有料の自治体になりました。「福祉水準を周辺市並みに」と言いながら、現実はそれ以上に削減されており矛盾していると指摘せざるを得ません。

そういう中で、せめて他市並みに医療費負担の大きい就学前までだけでも無料にしてほしいと願う10、261筆の「就学前までの医療費無料化を求める請願署名」が提出されました。紹介議員は、櫻井浩司・大西時子・太田浩美の3名です。

子ども連れのお母さん方が請願書を提出に来られ「小さな子どもはいろいろな病気にかかり、医療費の負担も大変です」「小学生になっても大変ですが、せめて一番大変な就学前までだけでも、無料にしていただきたい」と訴えられました(上の写真参照)。

こういう声にどう応えるのかが議会に問われています。しかし、議論は財政問題が中心で、「財政健全化を優先すべきで、現時点では実施困難」との理由で、新政会・公明栗東・市民ネットワークが反対し不採択となりました。

 

福祉施策は削減しながら 企業への奨励金は拡大

H24年度当初予算で企業(リチウムエナジージャパン)への奨励金1億2800万円が予算化されています。さらに、来年度から2期工場への奨励金もあわせて予算化されようとしています。

財政難を繰り返し強調しながら、企業へはどんどん税金を使う市政運営は、「福祉の向上」を役割とする自治体のあり方として、本末転倒です。こうした市政運営をあらためれば、4800万円は出来ない負担ではありません。

市民に負担増ばかりを求めるのではなく、10、261筆の願いに応えてこそ、市民の理解と協力を得て、財政健全化への道が開けるのではないでしょうか。

市長の選挙公約でありながら
 就学前医療費の無料化は困難

太田浩美議員は個人質問で、「自己負担をなくすためには4800万円の財源が必要」との市の答弁に対し「剰余金9億6000万円を活用すれば、実施できる」と財源も示し、保護者の願いに応え、前向きに取り組むよう求めました。

野村市長は「自治体の役割は福祉の向上です」と答え、就学前医療費の負担軽減は市長自身の選挙公約であると認めながらも、財政面から自己負担の廃止は困難との答弁でした。





ごみ減量化にともない ごみ袋価格の引き下げを
指定ごみ袋によるごみ有料化が実施され、3年が経過しようとする中、ごみ袋価格の負担軽減を求める声が寄せられています。市は、一般会計補正予算においてH25〜29年度(5年間)現状を継続すると説明しました。

しかし、市の資料によれば、有料化後の家庭ごみ量は、有料化前より約20%程度減っています。ごみ袋価格は処理費の10%に設定されており、20%相当の値下げが可能です。

日本共産党議員団は、市民負担軽減のために、ごみ袋価格の値下げを検討するようを求め、一般会計補正予算(第4号)に反対しました。




議案・請願書に対する態度


 会 派 名 共産党 市民ネット 再生 公明 新政会
 議員名
 
  ○・賛成
  ●・反対
  退・退席
  欠・欠席
大西時子 太田浩美 中村昌司 林 好男 田村隆光 国松 篤 櫻井浩司 小竹庸介 高野正勝 片岡勝哉 上田忠博 林 史代 三浦 悟 寺田範雄 北川健二 山本 章 藤田啓仁 下田善一郎
H24年度栗東市一般会計補正予算(第4号) 議 長
就学前までの医療費無料化を求める請願書
生活保護基準の引き下げはしないことなど国に意見書提出を求める請願書
活断層の疑いのある原発は直ちに停止することを求める請願書
 妊婦健診とヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防の3ワクチンへの2012年度と同水準の公費助成を求める意見書




12月議会  個人質問

大西時子 議員
再生可能エネルギーによる
まちづくりについて


問 国に原発ゼロを求めるとともに、市としての太陽光発電設置費への助成など、再生可能エネルギーを活用した施策を具体化し、地域活性化に取り組まれたい。

答 太陽光設置補助はH15年度から5年間実施し、その間278件、補助総額約4500万円、設置にかかる総工事費は約6億6000万円と推定され、一定の経済効果があったと思われる。市のエネルギー施策については、国の「新エネルギー基本計画」県の「再生エネルギーに関する新計画」の策定内容を見て進める。



食育と学校給食の充実のために

問 給食センターの建て替え計画について、給食は教育の一環と位置付け、中学校給食の実施も視野に入れた対応とすべきと考えるが、どういう内容になっているのか。

答 H30年度完成に向けて、H26年度から基本計画を策定する。幼児園・幼稚園・保育園・小学校を対象に、7500食・予算20億円を見込んでいる。

問 「食育」はどのように指導しているのか。

答 「食に関する指導の全体計画」を作成し、「食事の重要性」や「心身の健康」などに関する目標を掲げ、児童の発達段階に応じた指導を行っている。









太田浩美 議員
医療をまもるセーフティネットの
充実を


問 県内で一番高い栗東市の国保税は、総所得の13〜18%を占め、すでに負担の限界を超えている。剰余金9億6000万円を活用し、払える額に引き下げを。

答 国保の財政運営は厳しく引き下げは困難。

問 高齢者インフルエンザ予防接種の自己負担について、草津・守山市は1000円・野洲市は1300円、それに対し栗東市の2000円は高すぎる。引き下げを求める。

答 65歳以上の人口が年々増加するため、『さらなる財プロ』で自己負担金を見直した。



たばこ業者への貸付金未回収問題の
  早期解決のために


問 違法な貸し付けがあったとして、住民監査請求書が提出されている。貸付金を返さなくてもよいという約束があったのか。鰍sSRと鰍bSRへの貸付金あわせて9億円の回収に向けた具体的対応は。

答 相手方は返済の意思を示しており、12月末までに返済計画を提出するよう求めた。



RD処分場の有害物による地下水汚染から
  飲み水を守るために


問 地下水汚染の原因物であるVOC類が存在する可能性が極めて高い木くず焼却炉周辺を深さ20〜30m掘削し、VOC類の本体を速やかに除去されたい。

答 1次対策工事の結果を確認し対応する。




















国に「妊婦健診とヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防の3ワクチンへの2012年度と同水準の公費助成を求める意見書」が否決に

「妊婦健診とヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防の3ワクチン」への国の補助金が、来年度から一般財源化すると言われています。そうなれば実質的に補助金は削減され、その削減分が自治体の負担となります。

太田浩美議員は、個人質問で現在自己負担なし(無料)で実施している妊婦健診と3ワクチンの公費助成の継続を求めました。市は「来年度は、現状を継続する」と答えました。

しかし、一般財源化されれば、現状の公費助成の継続が困難になるため、市長会や議長会、さらに栗東市も、国に来年度以降も今年度と同水準の補助金の継続を求める要望書を出していると説明しました。
 

 財政難と言いながら 日本共産党議員団以外は反対

日本共産党議員団は、公費助成の継続や栗東市の財政のためにも、国に来年度以降も今年度と同水準の財政措置を求める意見書の提出を提案しました。

しかし、残念なことに日本共産党議員団以外の議員は、市長会や議長会等から提出されているから、議会として国に補助金を求める意見書は必要ないとして反対しました。

就学前までの医療費無料化を求める請願書の審査では、財政難を強調しておきながら、いっぽうでは国の補助金を求める必要はないという態度は、矛盾しているとしか言いようがありません。
 

 議会・議員の役割とは

市民の声に応え、市長会や議長会の要望を後押しするのが市民の代表である議会の役割です。これでは、議会ならびに議員としての役割が果たせていないと言わざるを得ません。
議員としての資質が問われています。
 













日本共産党議員団ニュース
2012年12月議会報告
発行 日本共産党市会議員団

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大西時子/太田浩美