議員団ニュース

2009年3月議会(予算議会)における
日本共産党議員団の反対討論 全文


議案第10号
栗東市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について
(国民健康保険税の値上げ)


本案は、国民健康保険税を、医療分・支援均分・介護分を合わせて14.97%値上げするもので、実施されれば近隣4市との比較で一番高い額となります。近年の滞納率は、H17年度12.3%、H18年度14.0%、H19年度13.5%と推移しており、滞納整理に力を入れていると言われながら、一向に改善されていません。資格証明書の交付数も相変わらず県下で最も多く、一向に減らないどころか、H20年度4月時点では418と過去最高の数が報告されています。

国は、資格証明書で病気になった場合は緊急措置として短期保険証を交付すべしとしています。この様なケースは、本市において何件あるのか、その申請数と交付数を尋ねたところ、短期証の交付理由がつかめておらず、わからないとのことでした。

滞納整理において、滞納の理由も十分に把握できておらず、いくらかの税が納められれば短期証を交付するだけの機械的な対応になっているように思われます。これでは、滞納が繰り返されるだけで、根本的な解決にはつながりません。

滞納世帯に占める約7割が、所得200万円以下の低所得世帯です。税を払えない生活困難な理由を把握し、改善に結び付けてこそ、滞納整理と言えるのです。

このように課題解決に対する取り組みが不十分な状況で値上げが実施されれば、ますます滞納世帯が増えると予想されます。相談体制の充実を求め、本案には反対と致します。




議案第13号
栗東市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について
(介護保険料の値上げ)


介護保険制度が始まって10年目を迎え、3度目の保険料見直しをするもので、今回は国の介護報酬3%アップに伴うものであり、保険料率も6段階から8段階に見直されます。

滞納者数は普通徴収896人中314人、率で35.0%とのことで、その内訳は第1〜4の軽減段階(非課税世帯)で173人、第4の標準段階で21人、第5〜8の割増段階(課税世帯)で120人とのことでした。

課税世帯になぜ滞納が多いのかと尋ねると、制度の啓発に努め納税を促すと言われるだけで、滞納の理由が十分に把握できていない状況でした。一概には言えませんが、払える能力がありながら保険料が納められていない実態があるように見受けられます。こういう状況は早急に改善すべきです。

また、今回の保険料アップが低所得者層の滞納増加につながることも、十分予想されます。国保の納税相談同様に、滞納の原因を改善するための生活相談と合わせた納付相談を、もっと充実すべきです。

来年度4月から財プロが本格的に実施され、医療費やバス代等において高齢者にかかる負担がまた増えようとしています。そういう状況の中での保険料アップは、高齢者への負担増に追い討ちをかけるようなものであり、暮らしをまもる自治体としてすべきではないと考えます。よって、本案には反対といたします。




議案第14号
栗東市市民参画と協働によるまちづくり推進条例の制定について


市民参画と共同のまちづくり推進のために本条例の制定そのものに反対するものではありませんが、特に第10条の(5)において市民参画の対象が市民に義務を課し、または権利を制限することを内容とする条例の制定及び改廃、分担金、使用料、加入金、手数料に関するものを除くことは、真の市民参画とはならない。

自治体の最大の任務である住民のいのちと暮らしを守ることに市民が意見をいえない参画は欠陥条例といわなければならない。よって本条例の制定に反対する


議案第15号
こんぜの里バンガロー村の設置及び管理に関する条例及び栗東市立森林体験交流センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について


こんぜの里バンガロ−村は平成6年に建設したもので、既に15年が経過し老朽化が進みつつある現状で、7%の利用料金の値上げは利用者の減少を招きかねない。

定員4人棟で平日10,000円が10,700円に、休前日12,000円が12,800円に、定員6人棟では平日15,000円が16,100円、休前日18,000円が19,300円にそれぞれ値上げされる。

更に、調理設備を使用した場合1時間300円が加算される。バンガロ−村は基本的には自炊が伴うことから、利用料金が多額になること。また、何時間使用したかは確認が大変困難になること。調理設備の使用料金を徴収することは利用者との間でトラブルを起こす原因にもなりかねない。

 森遊館のホ−ル利用料金を新たに1時間あたり1,000円徴収し、冷暖房料金を5割加算することは、利用者の減少をきたす可能性があり、不況のときこそ利用促進策を講じていくべきである。よって委員長報告に反対するものです。


議案第16号
下水道使用料条例及び農業集落排水処理施設使用料条例の一部を改正する条例の制定について

(使用料金の値上げ)


下水道料金は昭和57年以来改定がなかったことから、今回1m3当り106円を128円に値上げすることで、200m3まで20%、それ以上は26%、平均22.8%の大幅値上げとなる。

一方、収納率は98.2%と水道料金より低く、過年度未集金が4800万円にもなっていることから、大幅値上げで収納率が一層悪くなることが予想される。よって委員長報告に反対します。


議案第19号
栗東市立自然体験学習センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について

(利用料金等の値上げ)


本案は、財プロの一環として市内公共施設の利用料金や冷暖房加算料金を見直すものです。体育館等の他の施設における、本案と同内容の改定については、12月議会に上程されたおり、当議員団としては幅広い市民活動の育成や文化の振興を妨げることにつながりかねないとして、反対しました。

残念ながら可決され、来年度7月から実施、減免制度も大幅に縮小されることとなりました。市民団体から「これでは今までのような活動は続けていけない。困ったことだ」との声が、いたるところから寄せられており、このままでは市民活動の枠が狭められていくことは避けられません。

市民の自主活動を支えることも自治体としての大切な役割です。その役割を果たす方向での条例改正になっていないとして反対といたします。


議案第24号
平成20年度栗東市一般会計補正予算(第7号)について


新幹線新駅中止に伴う県負担金として6億1310万収入計上し、新幹線基金に積み立てるものです。その一方で、土地開発公社の資金貸付のための一時借入金利息8429万5000円が支払われています。

財政健全下方による将来負担率が350限界ぎりぎりといわれる中で、財政再構築プログラムで市民犠牲が押してけられていますが、一時借入れで公社への貸し付けるのでなく公社用地の買戻しこそが急がれます。

住民負担を極力避ける財政運営という点では問題があり、本補正予算には反対します。



保育園・幼稚園の臨時職員配置事業において、幼保合わせると61,500(千円)の減額補正となっています。保育園分で13名、幼稚園分で6名が、年度当初から不足していたとのことでした。

しかし、年度当初の待機児はゼロであり、他の職員の過重負担になっていたことが明らかになりました。その後、待機児は増えていき、3月時点で85名にも膨らんでいます。次年度は当初から33名の待機児が出ると言われています。

市は、この状況を改善するためにH22年度より民活導入で対応するとしていますが、通常保育の保育士でさえ確保出来ていない状況で、どうやって引き継ぎ保育のための保育士が確保できるのか、その保障が示されないまま進められています。
また、市内法人立保育園における保育士の確保も、なかなか困難な状況と聞いています。

保育に欠ける子どもの保育責任は、自治体にあります。本案は、公的保育における自治体としての役割が十分に果たせていないとして反対といたします。


議案第32号
平成21年度栗東市一般会計予算について


栗東市は昭和58年(1983年)以来26年間、地方交付税を受けてこなかった県下で唯一つの豊かな財政を誇った自治体でした。しかし地方財政健全化法の下で連結決算方式が導入され土地開発公社債務保証額がカウントされ一挙に将来負担比率が350%ギリギリの336%を示したことから、ことさら財政危機をあおり、「財政再構築プログラム」で市民に対し、負担の増大とサービスの低下をもたらすことになる本年度予算に市民の合意は得られません。

市は、財政危機の原因に、新幹線事業中止の負の影響をあげていますが、特に土地開発公社の駅前用地先行買収が大問題になっています。あまりにも異常な高値買収(簿価113億円で90億円の損失見込み)やその経過における疑惑解明のための議会特別委員会も秘密会にしてしまい、市民の前に明らかにしていないなど重大な問題が含まれています。また、JRびわこ線栗東駅開発に伴う代替地7800u簿価16億3000万円がいまだに塩漬け土地として残っていることも重大です。

さらに、日本共産党が要求した福祉・サービスの充実が財政危機の原因の一つであるといわれますが、そもそも、住民の福祉向上とサービスを保証するのが市政運営の基本でなければなりません。26年間地方交付税不交付団体として財政の豊かさを誇ってきた栗東市で「住みよさランキング日本@」を誇ったことは誇りにこそ思うべきです。それを財政危機の原因と攻撃することは本末転倒であり、土地開発公社問題を除けば、財政指標は決して財政健全化や再生団体への転落などといえるものではありません。

自治体本来の役割を投げ捨て、官から民へ、民間経営感覚とばかりに、栗東市を栗東開発株式会社化し、儲けることに血道を上げた結果、大損を出したことこそ反省すべきであり、市民に詫びるべきです。

さて、具体的に問題点と改善点を指摘します。
総務関係では、
市民税3億7800万円、固定資産税2300万円、市タバコ税3億500万円等、市税収入は7億4400万円の減収となっていますが、市タバコ税については、県交付金積み立てをカウントすれば15億円前後が課税定額で実質収入に影響はないものと思われます。

総務使用料でコミセン使用料を1000万円見込んでいますが、現在の利用実績をから算出したとのことです。現在97%の団体が減免措置を受けて利用している中で、現在の利用が継続される保証はありません。それどころか解散を余儀なくされる団体や退会する市民がすでに出ています。市民の利益に供するべき施設が市民から遠ざけられることになります。

新幹線新駅基金の繰り入れ5億6000万円余、H21年度末残高は26億9000万円ということですが、土地開発公社47億円の一時借入で8500万円の利息負担が強いられています。まさに、このような不当な利息負担をしながら市民犠牲を押し付けている現状を避ける上からも、基金を取り崩し公社用地の買戻しを急ぐべきです。尚、土地開発公社用地の買戻しについては、その都度、買い戻し用地の詳細を明らかにする事を求めておきます。

同和対策費、地域総合センター費の根本的な見直し、廃止を求めるものです。今議会の私の個人質問にたいする答弁で、平成8年5月に出された、地域改善対策協議会の意見具申でも今後の同和行政について「現行の特別対策の期限をもって一般対策へ移行するという基本姿勢に立つことは、同和問題の早期解決をめざす取り組みの放棄を意味するものではない。

今後の施策ニーズには必要な各般の一般対策によって的確に対応していくということであり、国及び地方公共団体は一致協力して、残された課題の解決に向けて積極的に取組んでいく必要がある」と紹介しています。とりわけ地域を特定する個人施策や子ども対象の事業について特権意識が潜在化するような取り組みは中止し、一般施策化の中で解消していくことを強く求めるものです。

一時借入金利子が100万円で口あけに止まっていますが、H20年度補正予算で8500万円が計上されました。補正は極力避けるという予算編成が叫ばれてきましたが、H21年度も同額程度が見込まれるなかで、現状をリアルに反映する予算となっていません。



環境建設関連では、
交通対策費、 くりちゃんバス運行費を昨年より1300万円削減し、土・日の運休や運行時間を朝は遅く夕方は早く終わるなど利用時間が短いことにくわえ、高齢者への利用券の廃止で一層利用がされなくなると考えられます。

今後さらに高齢化社会が進むことは確実であり、くりちゃんバスの役割が高まることになり、運行の充実を求めるものです。また、路線バスの運行も午後4時以降なくなるなど利用が制限される。運行の改善をバス会社と交渉すべきです。

公害対策費 RD産廃処分場に関して、市の環境調査委員会を平成21年2月までが任期期限として継続しないことは許されない。なぜなら、滋賀県が今後の処分場への対策工をとらず、住民の合意と納得も得られていない現状から、市の調査委員会が市民の立場で県と協議し解決に当たることが必要である。

県は今後「第三者委員会」を立ち上げ、またNPOなどに依頼して「監視委員会」をつくって調査・監視を進めるとのことであるが、第三者委員会に住民代表や市調査委員会のメンバーが入る保証はない。環境調査委員会の連名で委員会の継続を求める要望書が市長宛提出され、市民団体からも同趣旨の要望書が出されている。今、市の調査委員会を解散することは、県に解決策を丸投げすることになり絶対に許されない。

清掃費 廃棄物収集経費でH22年度からごみ有料化の導入が予定されているが、散在性ごみの増加や指定ゴミ袋以外での搬出が予想されるなど懸念される。有料化について市民の意向調査を行い拙速な実施は避けるべきである。また、環境センター管理運営経費のうち修繕費7000万円や法定点検委託料5000万円などあまりにも高額になっている。再チェックを行い減額につとめるべきである。

労働費 人権尊重といいながら、差別を助長温存するような同和個人施策は廃止すべきである。労働者就労対策事業や企業内同和教育推進予算は廃止すること。また、勤労者融資制度の活用がH20年度わずか1件に過ぎない。預託金の3倍まで融資枠があることからも利用しやすい制度にして、活用されるようにすべきである。

農林水産費 汚染米に見られるように、食の安全が脅かされている。消費者・国民は、安全な地元産の農産物を求める意向が強まっている。食料自給率の当面50%の達成を目指すため、国に対して農業で生活できる農産物への価格保障や所得補償制度を実施するよう働きかけるべきである。

農業学習センターの休止は、農業振興の立場に逆行している。農業関係者の活動拠点施設として利用を図るよう見直しを求める。

商工費 企業事業資金貸付金について、10年間に5億円を限度に無担保に近い条件で融資することは、債権保全上重大な問題がある。経済情勢によって業界がどのように変化するのか計り知れないだけに、貸付条件を守らせることが必要である。これまでの融資先はいづれも10年間で50億円以上のタバコ税を納入する約束が守られていない。新規融資は止めるべきである。

土木費 道路維持費、自治会要望が多い中で、昨年比1500万円削減、H20年度の要望112件に対し達成率は71%で繰り越し分も多くあり、生活密着型の道路は優先的に実施されたい。雪害対策をA・Bランク事業者に発注しているが、むしろD・Eの業者にこそ回すようされたい。

都市計画費で、木造住宅耐震診断が実施されているが、危険な住宅の耐震補強工事が実施されてこそ診断の意義がある。耐震補強工事の促進のためにも、木造住宅・バリアフリー回収事業補助金の活用と充実を図り、住宅リフォーム助成制度の創設で地域経済の活性化に取組まれたい。



文教福祉関係では
老人福祉において、バス回数券補助事業が廃止されることに対し、補助券を利用してなごやかセンターのデイサービスに通っておられた方から「バス補助もなくなり、お風呂代も100円かかるようになれば、今までのように通えない。少ない年金でやりくりしながら何とかやってきたのに、ささやかな楽しみまで削られるなんて、何のために税金を納めているのか、情けない」という声が寄せられています。

市は、バス補助券に代わってサロン作りに力を入れると言われたが、今まで同様の取り組みを継続するだけで、代替など何もない。結局は削っただけである。高齢者の外出や通院回数の減につながり、介護の重度化につながる。このことは、後々に削減した以上の負担増が、市民生活や市財政にかかってくることになります。

児童福祉において、心身障害児通園事業・たんぽぽ教室の通級児が年々増加しているにもかかわらず、今年度心理士1名、来年度は保育士1名を削減されようとしている。早期療育の充実は、後々の保育園や学校における指導がより入りやすくなり、児童の発達においても大変重要な役割を果たすものです。

その療育にかかる人員削減は、指導内容や通級回数の減や待機につながり、十分な療育を保障できなくなる。一方で、市内小中学校の発達障害児数は、一年前に比べ362人から505人に増えており、市として最も力を入れなければならない分野ではないか。緊急雇用創出事業において、人員増されるよう求めます。

幼稚園・保育園の臨時職員不足により、次年度は33名の待機児が出るとされています。月額の職員だけでも幼保合わせて32名、時給・看護師等も含めると、もっと不足しています。早急に確保されたい。

H22年度から、大宝・大橋保育園の統廃合と民営化により、待機児をなくすとされていますが、現状の保育もままならない状況で、どうやって引き継ぎ保育の保育士を確保するのか、民間園でも保育士の確保は厳しい状況と聞いています。移管に伴う子どもへの影響を極力抑えるといいながら、その保障が全く示されないまま、進められてようとしています。

教育において、市単の複数指導加配教員・35人並学級支援教員が廃止されます。きめ細やかな学習のために、学生サポーターを増やし対応すると言われますが、学生はあくまでも補助であり、学習指導ができる教員ではありません。

特別支援教員を9名から12名に、各校1名配置にするとしていますが、予算規模で5、930(千円)から6、662(千円)と約70万円程度の増であり、指導時間としての増額にはなっておらず505名に膨らんだ発達障害児の対応が十分できる内容とは思えません。現場は、ますます大変な状況になると予想されます。

栗東西中学校生徒増加への対応でも、まったく先の展望を示さないまま、当面栗東西中学校の増築で乗り切ろうとしていますが、たちまち来年度は理科室が足りないため、実験が十分にできず、生徒の授業に支障が出ると聞き及んでいます。

これまでも、学年別に使用優先順位を決めるなどしながら何とか調整してやってきたが、来年度は2クラスも増え、授業時間数も増えるため、もう限界だとのことです。また増築に伴い派生する様々な問題にはまったく答えられていません。

教育の機会均等を保障する教育行政上でも大問題です。栗東西中学校の生徒増に伴う対応について、市全体の校区編制を視野に、公社所有地の活用を始め新たな財政負担を最小限に抑えながら、義務教育を保障する立場での第4中学校建設の方向ですみやかな検討を求めるものです。

中学校給食の廃止に伴う保護者対応について、廃止の理由(財プロの一環であること)も、文書発行責任者の名前も記載されていないお便り1枚で十分周知できていると言われました。市民説明会もした、PTAにも説明したからもう十分だと。その説明で相手がどの程度理解されたか、全く考えない一方通行なやり方です。

給食を食べない子や栄養不足が給食廃止の理由になっていましたが、果たして改善ができるのか疑問です。派遣切りなどの非正規労働者が職を失う影響が、本市でも出ているとの教育長の代表質問での答弁がありました。

こういうご時勢だからこそ、学校給食の役割がより重要になってきていると思われます。中学校給食が、生徒や保護者とともにどうすれば充実するのかという議論も十分されないまま、廃止されることに納得いきません。

そもそも財プロは、国の三位一体改革や情勢の変化による税収減だけでなく、新幹線新駅事業に対し中止を求める市民の声には全く耳を傾けず、多額の税金をつぎ込んできたことにあります。中学校給食の廃止や栗東西中学校区の生徒増に対する第4中学校建設の見通しも示さず、子どもの教育にまでそのしわ寄せがきています。このような予算には賛成できません。

私の今議会個人質問の答弁にもあるように、長期財政計画でも、H26度には約100億円の地方債残高の減額。将来負担比率を200%以下にすることを目標として掲げていますが、長期財政計画は、財政再構築プログラムの継続と新規事業はしないことを前提にしています。ことさらに財政危機をあおり住民に不安と不信を招くことはやめるべきであり、住民負担軽減の為に、一刻も早い時期での見直しを強く求めるものです。

以上の主な理由を申し上げ、委員長報告に反対の討論とします


議案第34号
平成21年度栗東市国民健康保険特別会計予算について


本案は、議案第10号国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定についての内容が、具体化された予算です。

議案第10号の反対討論でも述べたように、現状として、資格証明書交付数や滞納世帯数は増加しており、納税相談が十分になされていないように思われます。

保険税が納付できるような生活状態に改善するようもっときめ細やかに相談に応じ、滞納整理をしていくべきです。そのような内容となっていないことから、本案について反対といたします。


議案第36号
平成21年度栗東市後期高齢者医療保険特別会計予算について


案は、今年度4月から実施された75歳以上を別立てにした医療保険制度です。本制度は実施前から、高齢者を差別し医療から遠ざけるものだとの強い批判を受け、国会参議院では廃止法案が可決されました。次の総選挙で与野党が逆転すれば、廃案になると言われるほど、多くの国民から受け入れられていない制度です。

平成20年度介護保険特別会計補正予算(第3号)の審議において、本制度実施に伴い、今年度より住民健診が特定健診になったことで、75歳以上の受診率が大幅に落ちている状況が報告されています。

それに伴い、健診受診時に行なう介護の特定高齢者把握事業の生活機能評価も受けられておらず、医療だけでなく介護からも遠ざけられている実態が明らかになりました。このままでは、医療や介護において重度化につながるおそれがあり、市民の命を守る役割をもつ自治体として、健診の受診率向上など重度化防止の手立てを講じることが求められます。

このような75歳以上の高齢者を差別し医療や介護から遠ざける後期高齢者医療制度は、廃案にすべきと考えます。よって、本案について反対といたします。



議案第37号
平成21年度栗東市介護保険特別会計予算について


本案は、議案第13号介護保険条例の一部を改正する条例の制定についての内容が、具体化された予算です。

施設入所待機者は740名、うち市内217名とダブルカウントはあるものの年々増加の一途をたどっています。保険料を納めながら、必要とされる介護が受けられていない実態があると言わざるを得ません。

市は在宅介護を充実して対応すると言われますが、施設入所を待っている間に重度化する実態も報告されており、そうならないような方策をどうとるのか、具体的な内容が示されません。

介護現場の聞き取り調査で、職員数も今は足りているが、全体的に介護を担う職員の高齢化が進んでいる。今回3%の報酬アップとなったが、この程度では新卒の採用は難しい。もっと大幅な引き上げが必要。そうしないと、介護を担う若い人材が育っていかない。その一方で、介護を必要とする高齢者は増えるし、このままでは介護現場は大変なことになると思われる。と話されました。市としても、もっと現場に出向き、よりリアルに実態を把握された上での対応を求めるものです。

今回の3%の報酬アップも、本来は国の責任で行なうべきものです。しっかり保険料に跳ね返っており、値上げの原因になっています。介護に関する国の負担を大幅にアップするよう、市としても国に要請されるよう求め、本案についての反対の討論といたします。




議案第42号
平成21年度栗東市公共下水道事業特別会計予算について


下水道の普及によってずいぶん環境は良くなってきた。環境衛生からも下水道の普及はびわこを抱える滋賀県にとっては一層重要になっている。3年を経過するまでに公共下水に接続することになっているが、環境を守る上から早期接続を進められたい。

この議案はね22.8%の大幅値上げをする予算であり、財政再構築プログラムによつて市民に多額の負担が増加することから、委員長報告に反対するものです。






請願書第15号
セイフテイーネット保証の保証料負担制度や制度融資の利子補給制度の創設を求める請願書


アメリカ発の経済危機によって、外需頼みの日本経済は12.1%の大幅な落ち込みになってきている。経済成長を支えてきた中小業者は「年を越したがまったく先が見えない。

「年度末が心配」と、かつてない危機に直面し不安が広がっています。中小業者の活性化なくして地域経済の活性化はありえません。こうした観点から全国の少なくない自治体で、中小業者支援と地域経済活性化の緊急対策として、「住宅リフォーム助成制度」、「公共工事の前倒し発注」、「3年間返済措置の制度融資」、「3年間無利子融資」、「保証料全額負担」などが始まっています。

県下でも、保証料負担が、高島市50%、守山市50%、長浜市50%、米原市25%をはじめ、制度融資の利子補給を大津市や草津市で実施されている。中小業者の活性化を図ればいずれ増収につながるものです。栗東市での実施を求めて委員長報告に反対します。


請願書第16号
住宅リフォーム助成制度の創設を求める請願書


この制度は、以前緊急経済対策として、県下で10近くの自治体で実施され、「2,000万円の予算で12億円の経済効果があった」と長浜市が実証したように、大きな経済波及効果があるものです。

今回の経済危機に際して、昨年12月には彦根市で復活し、工事額の20%、最高限度額20万円、21年度予算2,000万円を計上、その後、長浜市、近江八幡市、大津市に広がっています。

近江八幡市は工事の15%、障害者や高齢者には50%まで、限度額30万円、予算3,000万円を計上している。全治3年といわれる経済危機に対して、住宅リフォーム助成制度は大きな効果をもたらすものであり、その実施を求めて委員長報告に反対します。

請願書第17号
子育て支援の充実を求める請願書

4月からの財プロ実施を受け、市民生活に多大な影響が出ると予想されます。本請願書は、特に子育て世代への負担がかなり増えることから、軽減を求める声が上がり、主なものとして、医療費の軽減・35人以下学級制による教育環境の充実・中学校給食の存続を求め、署名601筆を添えて提出されたものです。

紹介議員として、委員会で審議していただきたいと申し上げたところ、何の意見も質問もなく、無言の不採択となりました。反対されるなら、その場できちんとその理由を明らかにすべきです。請願者に対し、あまりにも失礼ではないでしょうか。

財政が大変厳しい状況であればこそ、限られた財源を何にどう使うのかが、大変重要になっています。幅広い年齢層の方から、この3つの請願項目だけに限らず、子ども達のこと優先に使ってほしいという声が多く寄せられています。

地方自治法第1条の2項にあるように、市民の福祉の増進が地方自治体の本来の役割です。大手企業の派遣社員の雇いとめなどで市民生活に厳しさが増しているときだからこそ、税金の使い方を、これまでのような開発優先を改め、福祉・教育・暮らし最優先とされるよう求め、反対の討論と致します。






日本共産党議員団ニュース
2009年3月議会報告 〜反対討論編〜
発行 日本共産党市会議員団

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ばば美代子/国松清太郎/太田ひろみ