議員団ニュース

●2008年3月議会報告


平成20年度栗東市一般会計予算

市民負担増と人件費削減1億5387万円


内 容 削減予算額
幼・保・小・中学校芸術鑑賞中止   1000万円
さきらジュニアオーケストラ補助減額    500万円
路線バス回数券補助    509万5000円
敬老祝金等削減    273万9000円
太陽光発電設置補助廃止    500万円
臨時職員賃金削減   2236万5000円
職員人件費削減   6229万3000円
物件費等削減   2193万6000円
各種団体運営補助金削減    295万1000円
他28項目あわせて 合計 1億5387万3000円

 日本共産党は反対

H20年度一般会計当初予算は217億2600万円。
特別会計・水道事業会計合計で、346億300万円です。

一般会計は前年当初比19.9%減で、新幹線新駅中止関連や庁舎耐震工事、防災無線事業終了などによるものです。しかし、約10億円収支バランスが不足することから、市は市民負担増と人件費削減などで1.5億円、新幹線基金取崩しで3.5億円、臨時財政対策債(借金)5億円で対応するものです。

H21・22年度も各15億円不足することが明らかになっています。

國松市長就任後6年間で削った福祉・教育等の予算は総額6億3千万円にのぼることも明らかになりました。日本共産党は、市民負担を押し付ける前に、今日の借金財政の原因を明らかにし、国・県に財源補償を求めることや同和事業の見直し、企業の地下水くみ上げの料金徴収などを提案しました。

住民の健康と福祉を守る栗東市に転換するよう求めて党議員団は一般会計予算に反対しました。

国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の
3つの特別会計予算に日本共産党議員団は反対

後期高齢者医療制度は、75歳以上を74歳以下と振り分け、別の医療制度に囲い込み、新たに保険料を課せられるだけでなく、医療内容を制限するものとなっています。

4月実施を前にして、全国各地で怒りの声が広がり、530を超える地方議会(全国約3割)で中止・見直しの意見書を提出しています。

栗東市議会でも、日本共産党議員団が「後期高齢者医療制度の廃止」を求める意見書を国に提出するよう提案しましたが、党議員団と宇野議員以外の議員が反対により、意見書は提出できませんでした。

後期高齢者医療の条例と予算、さらに国民健康保険条例の改正と予算、介護保険予算は、いずれも高齢者が安心して医療や介護を受ける状況にないことなどを明らかにし、その充実を求めて反対しました。

意見書・条例への態度

議員名

○賛成
●反対





























 林 好男



田村隆光
國松 篤
藤田啓仁

吉仲幸子
下田善一郎
山本 章
太田利貞
久徳政和
池田久代 公明栗東
太田ひろみ



国松清太郎
ばば美代子
西村政之


宇野 哲
北野一郎

井之口秀行 欠席 欠席
高野正勝 公明栗東
野村昌弘 新政会 採決に加わらず





3月議会 個人質問報告


ばば美代子議員

市民の声を無視して強行した新駅事業。中止の責任を認めず「負の遺産」などと市民負担の押しつは絶対許せない。市政黒書を市民の手で作ろう。


「財政危機の要因のひとつは、国や県の施策・政策変更による起債増加がある。市民に負担を押しつける前に、国や県に財政保障を求めよ」

 「国・県にあるとは一概には言えない」

問 国の三位一体改革と県の財政改革の影響と國松市長就任6年の福祉・教育等の削減額を示せ。

答 国・県による影響額はH16〜19年度で2億6700万円。市の削減額はH15〜20年度で約6億3000万円。

問 栗東駅関連の塩漬け土地や新駅事業の代替地取得が多大な財政負担となっている。いまや土地開発公社の役割は終った。廃止すべきである。

答 事業進捗に必要である。


問 地下水は市民の財産「公水」であり、企業の地下水汲み上げの料金徴収を検討されたい。南部工業用水料金で試算されたい。


答 地下水は民法207条(私有権)により使用料徴収は困難と考える。年間1514万3000円となる。



住民参画と地元業者育成のまちづくりを

問 保育園の民営化に住民合意は不可欠であり、住民・関係者に十分な情報公開と審議時間を確保せよ。

答 パブリックコメントを踏まえ答申いただく。限られた予算の中で、実態を再調査し検討する。

問 入札参加資格の変更は、資格取得期間を保障する周知期間を徹底すべき。地元業者育成せよ。

答 委託業務などは、仕様書内容等の検討を加える。



太田ひろみ議員

 福祉・教育の増進が自治体の本来の役割で す。少子高齢社会だからこそ、子育て支援 と高齢者医療の充実を。市民が実感できる 「福祉のまち 栗東」を取り戻したい。


「特別支援教育の充実と発達支援センターの設置を」
 「準備室を立ち上げたい」


問 発達障害児・特別支援が必要な児童が増えており、障害や発達支援についての悩みを相談できる専門機関が必要。保健・福祉・医療・教育・就労の横の連携による支援と、乳幼児期・学齢期・就労期の縦の連携による支援を総合的に提供できる体制をつくられたい。


答 障害の特性とライフステージに合わせた支援ができる体制を検討している。


RD産廃処分場の安全対策は、
     有害物除去を優先するべき


問 全周囲遮水壁は自然の粘土層を破壊する。さらに時間が経過すれば劣化し、ヒビ割れや水漏れが発生。汚染物の拡散が急速に広がる恐れがあり危険である。


答 周辺のモニタリングなどで状況を見ていく。

問 26億円もの全周囲遮水壁工事を先行すれば、県の財政難で有害物除去ができなくなるのではないか。

答 汚染土壌や違法廃棄物の撤去を申し入れている。



後期高齢者医療制度の中止・撤回を

問 75歳以上全員から新たに保険料を徴収し、受けられる医療内容を制限する制度である。年齢で医療を差別する国には世界でも例がないと、全国で約3割の地方議会が廃止を求めている。国に廃止を要望されたい。

答 所得に応じた保険料負担はやむをえないと考え、市としては要望しない。




國松清太郎議員

食の安全確保はいのちの保障であり政治の基本。地球環境問題からも農業の重要性が一層叫ばれる時代に。価格保障・所得補償を充実し農業再生を。


「地球温暖化防止策と『市環境基本計画』は」
 「平成20年度行動計画を策定」


問 市環境基本計画のH24年目標達成見通しは。


答 5年目となる今年度の中間目標の達成は、48項目中15項目で未達成が33項目。環境にやさしい行動の実践例を紹介するなど、普及・啓発に努める

問 環境センターのゴミ焼却量の推移と減量化は。

答 焼却量はH16年度から毎年4%増加。H24年可燃ゴミの排出計画値の一人当たり360g達成には約10%削減が必要である。

問 ISO14001認証取得による環境負荷の改善は。

答 H13年12月認証取得し、本庁舎はじめ各施設で取り組み、H18年度はほぼ達成した。施設整備の改修など費用対効果から十分検討する。


学童保育の充実を求めて


問 H20年度定員オーバーする学童保育所の対応は

答 小学校3年生までが対象であるが、H20年度に限り他施設の利用等工夫して受け入れる。

問 指定管理者運営では常勤指導員の確保が困難。教育的にも継続性が重要であり、今後非公募とすべき。

答 指定管理者の選定は公募を原則とする。


給食センターの建て替えと食育の充実を

問 給食センターは狭く老朽化している。完全給食(弁当なし)を実現するためにもセンターの建て替えを。

答 手法や規模を調査中であり当分の間現施設で対応


問 給食用野菜の栽培に地元農家の指導援助されたい。

答 農業振興会はじめ生産者・関係者の協力を得て推進する。


財政危機というけれど、その原因は

全国的に問題になっている地方財政の危機的状況は、自民・公明政権が進めてきたアメリカべったり大企業・財界中心の政策によるものです。

市場開放・規制緩和・構造改革の名で、郵政民営化や労働法制の改悪、家族農業の切捨てが進められてきました。地方自治体には、公共事業の補助金を減らし起債への置き換えや、減税措置にともなう財源補填をしてこなかった国・県の責任は重大です。
市の財政推移を見ても明らかです。


左図はH3〜18年度末一般会計の起債(借金)と市税収入、貯金(基金)の推移です。

H3年度末借金と市税収入はほぼ同額でしたが、H18年度末では、4.3倍に広がっています。一方、自由に使える貯金(財政調整基金)はH3年度末14億8千万円ありましたが、H18年度末には1100万円しかありません。

なお、H18年度末、一般会計・特別会計・債務保証の借金合計では810億円にのぼり、借金返済で赤字決算でした。

右図は、事業別借金残高の推移です。

H3年度とH18年度比で市債全体では4・3倍ですが、補助金なしの単独公共事業債が4.8倍。財源対策関連債が15倍。福祉関連債が2.4倍で教育関連債は70%に減少しています。

まさに、国の補助金削減や、減税にともなう財源補償をせず地方に借金をさせてきたことが借金増加の原因です。しかも栗東市は地方交付税が貰えず自力で返済しなければなりません。


左図は、市税収入の推移です。

栗東市は、大型開発で企業誘致、税収確保で福祉充実をと開発優先行政を進めてきました。

市税収入は全体で1.2倍ですが、個人市民税は1.1倍、固定資産税は1.5倍に増加する一方、法人市民税は73%に減少しています。

市民は固定資産税も合わせて十分負担しており、市民犠牲による財政再建は筋違いです。




財政が危機的状況になったのは、新幹線新駅中止に原因があるかのようにこじつけ、新年度予算でも、ささやかな敬老祝金やくりちゃんバスの回数券を減らし、子どもたちの芸術鑑賞事業を中止するなど住民犠牲を強いています。

なぜ財政が大変になったのか、どうすれば解決できるのか、ご一緒に考えてみませんか。ぜひお気軽にお越しください。




日本共産党議員団ニュース
2008年3月議会報告
発行 日本共産党市会議員団

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