議員団ニュース

-2005/2/27-

●2005年3月 議会-代表質問-


3月2日から始まる3月議会では、市長の施政方針、教育長の教育基本方針、収入役の財政報告に関して「代表質問」が行われます。

代表質問は各会派の代表が行いますが、追質問1回を含めて質問時間45分で答弁時間は限定されていませんがおおむね45分です。

発言通告は全文となっており、2月4日午前中で、ぎりぎり提出することができました。

栗東市議会には5会派があり、順番は輪番制で、今回は日本共産党議員団の代表質問は10日午前中に行われる見込です。

ぜひ傍聴にお越しください。
長文となりますがお読みいただき、ご意見やご要望、情報など教えてください。


平成17年2月24日
栗東市議会議長  三浦忠一郎 様
                     会派名 日本共産党議員団
代表者 馬場美代子
質問者 馬場美代子

代表質問通告書





1.くらし安心まちづくりについて

2.栗東にぎわい街づくりについて

3.子どもいきいきまちづくり

4.人間はつらつまちづくりについて

5.合併について




施政方針には、世界経済の回復が続く中で、景気回復が雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及する動きが強まり、引き続き民需中心の緩やかな回復を続けるとして、国内総生産の実質成長率を1.6%見込んだとあります。

しかし、本当でしょうか。

政府の報告書「日本経済2004――持続的成長の可能性とリスク」内閣府でさえ、「今後の消費が持続的に回復していくためには、所得の回復が鍵」と述べています。

また、この報告書は、「企業の利益が伸びても給与は下がる。95年以降逆相関が強まっている。」と分析しています。

第一生命経済研究所のリポートも、企業収益と人件費の関係に着目しています。「売り上げが増加しているのに、人件費をそれに見合って増やさなかった。」「その分利益が大きく拡大した」と指摘し、大企業ほど「人件費を節減しながら、売上増加の恩恵をより大きく享受している」としています。まさに、大企業はリストラで収益力を高めているのです。

ところが、今国会でも、新年度予算などについて集中した審議が行われていまが、社会保障の切捨てに加えて、本格的な庶民増税路線に踏み出した小泉内閣。定率減税の縮小・廃止に踏み切り07年度消費税増税の2段階大増税のシナリオにつき進もうとしています。

自民・公明政府与党は、05・06年の2年間で国民生活のあらゆる分野への7兆円に上る負担増を計画しています。定率減税の廃止・縮小、配偶者特別控除の廃止、公的年金控除や老齢者控除の縮小・廃止を始め、個人業者への消費税の免税点の引き下げ、年収100万円台のフリーター課税などなど。さらに、このことによってこれまで住民税非課税世帯の低所得者が、所得が増えないのに課税世帯となり、国民健康保険税や介護保険料負担も増加する深刻な事態も起こりつつあります。

雇用・所得環境の改善とは、どこを見て判断しているのでしょうか。

1997年橋本内閣の元で、景気が回復基調にあるとして消費税の5%への引き上げを始め9兆円の大増税が国民に押し付けられました。この1997年以降、年間数兆円規模で減っています。

日本共産党は、「その中での増税は、橋本失政の二の舞になる」と警告し、この国民大増税路線を中止し、無駄な空港やダム、などの大型公共事業の見直しと大企業のまともな税と社会保障の負担を求めるべきだと、小泉首相に迫っています。

さて、このような国の方向の中で、市政をどのように運営していくのかが問われます。

栗東市でも、新幹線新駅と駅周辺整備事業に突き進む中で、H15〜17年の3年間で2億8700万円もの市民負担増が押し付けられています。さらに市民が望んでもいない大型開発のために、巨額の借金が市民負担となって襲い掛かろうとしています。

日本共産党は、直ちにこの大型開発を中止し、市長公約である「市民が主役」の街づくりに改めることを求めるものです。

市長は就任以来一貫して「まちづくりの主役は市民」「行政はサービス業」「行政に民間間的・経済的感覚を」かかげ、経営者感覚で市政運営を進めておられます。
言葉だけを見ればなるほどと思う人もおられるでしょう。しかし、実態が問われるのではないでしょうか。

そもそも、
民間の経営と自治体の存在意義は根底から異なっています。
民間事業者は、株式会社であれば「事業活動によって利益を上げて、株主に配当を渡す」個人資本家でも自らの利益のために事業活動を行っているのです。決して、ボランティアが目的で事業活動を行っているのではありません。同時に、国民・市民は事業家のためになんら義務付けを負っていません。

一方、
国や地方自治体は国民・市民から税金を負担してもらい、それを運用して、国民・市民の命と暮らし、財産を守ることが自治体の存在意義であり使命です。所得の再配分機能も含めて、憲法25条すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない、としています。また、地方自治法は、この精神にたって住民の健康と福祉の向上に努めるとしているのです。

経営者感覚で市政運営を進めれば、儲けの対象としてしか市民を見られないのではないでしょうか。「必要な人に必要なところに施策と財源を重点配分する」としながら、所得制限や基準を厳しくして、その必要性を限りなく狭めていくことになっていくのです。

社会福祉・社会保障の水準を見れば、その地域の人権感覚が見えてきます。より充実していく中でこそ、みんなのものとなり、お互いに支えあう地域社会の構築につながります。
社会環境の悪化による犯罪の増加への歯止めにもなっていくのではないでしょうか。

官から民へを改め、官の果たす役割について充実されるよう求めるものです。

さて、具体的な施策についてお伺い思案す。

1、くらし安心まちづくり
 「地域防災計画の見直しをすすめ防災対策に万全を期すとして、地域防災に共助が被害を小さくする減災に最も有効である」としています。これを否定するものではありませんが、市としては、具体的事業として、耐震診断や耐震補強工事、道路や河川整備ではないでしょうか。とりわけ個人住宅等の耐震調査では、固定資産台帳などで建設年度はつかめるわけですから、積極的にアピールをしていくことが重要かと考えます。如何でしょうか。

産廃処分場問題では、住民運動の力でここまで深堀穴の掘り返しが行われたのですから、将来に悔いを残さないように予防も含めて、すでに埋め戻した7メートルを再度掘り起こして、安全対策を講じることを強く求めるものです。

地球温暖化対策は待ったなしの課題です。いよいよ京都議定書も批准され、公的機関の取り組みも具体的に求められます。そこで、新大宝小学校に太陽光発電を導入することや、公用車のエコカーへの切り替えが必要です。また、放置自転車のリサイクル後の利用は、どのように考えているのか明らかにしてください。

介護保険制度が、サービスの見直しと利用料の引き上げ、保険料の引き上げとダブルパンチで高齢者を襲い掛かろうとしています。高齢者保健福祉計画の中に、利用者にとどまらず、高齢者や家族の意見を十分反映したものにしなければなりません。国の改悪に対して市としてどのような対策を考えているのか明らかにしてください。

福祉事業一般について「必要な人に必要なところに施策と財源を重点配分する」としていますが、この3年間でも限りなく対象者が減らされ、予算が減額しています。これを行政改革というのならとんでもないことであります。社会保障の充実・地方自治体の本旨に沿った施策に改めるよう強く求めるものです。

新幹線関連事業は一般財源を使わない。元気であり続けるための仕組みとしての新幹線新駅としていますが、
いくつか正しておきます。
 第一に、一般財源を使わないとはどういうことか。H17年度の予算にも新幹線関連の債務負担行為が計上されています。その財源内訳は、明確に一般財源となっているではありませんか。このような住民だましは市政への信頼の裏切り行為です。
 
 第二に、新幹線関連事業費656億円のうち市負担は295億円、そのうち35億円は基金であり、それ以外は特定財源という借金です。
 本当にこの額で済むのでしょうか。たとえば、新都心区画整理事業に含まれる土地開発公社先行取得用地の買い戻し約77億円ですが予算化は24億円です。また、駅西側工事用道路の確保のための資金、先導プロジェクト事業の公共投資の額、等々が見込まれますが、この金額と長期財政計画はどのようになっていますか。

 第三に、学区別・自治会別説明会が行われましたがその参加状況と出された意見について明らかにしえください。また、どのように捕らえているのかお示しください

 第四に、新聞報道によれば、「これ以上、負担調整の合意時期が延びると、経営判断として工事は難しくなる」と、JR東海が県に通知しているとあります。基本協定書では、駅舎負担金とあわせて、新都心区画整理事業の仮換地および集客施設の建設の進捗を見てJR東海が判断するとなっています。このことをどのように捕らえているのか明らかにされたい。

2、子どもいきいきまちづくり
 教育基本方針とあわせてお尋ねします。

 保育園や幼稚園の民間委託や臨時職員の増加、過酷な就労条件の下で、専門職として豊かな感性を持つ保育者としての資質の向上が保証されるでしょうか。研修にすらいけないのが実態です。
 同様に、学校給食の民間委託は、「命あるものを食することへの感謝の気持ちを大切にする教育」を図ることは困難と考えます。
 教育研究所が教職員の資質の向上を図るとありますが、その体制はどのようになっているのでしょうか。お示しください。
 青少年の育成で、基本方針では中学生までしか見えてきません。対象をどのように考えているのでしょうか。取締りから相談に移して居場所をつくりと同時に、青年にとって希望が見える地域社会を作ることが重要になってきます。
「文化芸術団体に育成・支援に努める」とありますが、補助金をのきなみけづっているのはなぜでしょうか。

 公民館のコミュニティ化について、文教福祉常任委員会でもいまだ結論が出ていません。館長の民間臨時職員による情報保護や人権問題が発生します。民間委託しなければ、地域と市民が自主的の活用できないわけではありません。安心できる市職員がいてこそ、公平公正に「生涯学習施設」としての機能が果たせるのではないですか。
 H17年度の館長の民間職員への移行をやめ、十分話し合いを進めるよう求めます。

最後に、合併について、その目的は、効率的な行政運営と健全財政を構築することにある」としていますが、これでは市民の視点がまったく見えません。
すでに合併した自治体が、効率的な行政運営と、健全な財政になっているかといえばそうではありません。この際とばかりに合併特例債を使い、かえって借金財政となっているのが実態です。
まだまだ、情報が市民に知らせれていない段階での「合併市民意識調査」は問題があります。
市民の最終判断が保障される体制とすべての情報が公開されることを強く求めるものです。

以上、日本共産党を代表しての代表質問とさせていただきます。